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【プロ野球】杉内 巨人入り 巨人の「誠意」ソフトBを圧倒2011年12月20日 紙面から ソフトバンクからフリーエージェント(FA)宣言した杉内俊哉投手(31)の巨人移籍が19日、決まった。福岡市内の球団事務所でソフトバンクに退団の意思を伝えた後、東京都内のホテルで巨人の原沢敦球団代表に入団のあいさつをし「悩みに悩んだが、今はすっきりしている」と話した。杉内はソフトバンクの査定制度への不満などを理由に国内FA権を行使。巨人は年俸固定制の4年契約と背番号18を提示していた。23日に正式に契約し、入団発表する見通し。 込み上げる感情を抑えられない。移籍の経緯を説明する杉内の表情が徐々にゆがんでいった。「球団の方からFA権を取っても獲得する球団はない、というようなことを言われて…」。その直後、涙をこらえるように報道陣に背を向けたが、両目から流れるものは隠しきれなかった。 代理人の酒井辰馬弁護士によると、問題の発言は昨年11月の契約更改交渉中に担当の球団幹部から飛び出したという。「正直、杉内本人に伝えるべきか迷ったが、球団の思いを知らずにいるのもよくないと思った」と説明。球団首脳への不信感は、この日からずっとくすぶり続けていた。 FA権を行使した後は「(獲得に)手を挙げてくれた球団に行くと9割以上思っていた」という。それでも11月29日のFA宣言から、移籍を表明するまで3週間もかかった。決断が鈍ったのは残留を望むファンの声援だった。11日の優勝パレードでは「行かないで」の声が耳に届いた。生まれ故郷の地元球団にも愛着があった。「ファンの声援は熱かった。残りたいとも思えた」と言う。 それでも根深い不信感は限界を超えていた。「個人の感情でチームを離れるのは大人げないと思ったけど、切れた感情はどうしても元に戻らなかった」。不器用なほど実直で真っすぐな性格ゆえに、心変わりは簡単ではなかった。 悩んだ末に決意を表明した後は、笑顔も取り戻した。巨人から年俸固定制の4年20億円という好条件を提示され、主に生え抜きの右腕が背負ってきた伝統あるエースナンバー、背番号18を与えられた。巨人に三顧の礼で迎えられ、自らの“市場価値”を証明した。 プロ入りから10年間で通算103勝を挙げたホークスを離れ、来季は新天地に挑む。「僕の中では一つの時代が終わった。これから新しい時代を築いていきたい」。これまで6度の2桁勝利を記録するなど、ホークス投手陣を支えてきた左腕。東京ドームを舞台に、第2の野球人生のスタートを切る。(金額は推定)(松田達也) ◆背番「18」決め手巨人がまたしてもFA補強に成功。19日、東京都内で行われた第3回交渉で杉内が正式に巨人入りを表明。決め手はエースナンバー「18」の提示と、解任された清武氏の後任として編成トップになった原沢代表兼GMのきめ細かな交渉術だった。 巨人の誠意はソフトバンクを圧倒していた。まずは杉内自身が「かなり響きました」と振り返る背番「18」の提示。そして原沢代表の心配りだ。8日の交渉時に釣りの話題で盛り上がると、後日、杉内サイドに釣り関連の書籍が届けられ、代理人の酒井弁護士を「彼を本当に必要としている気持ちが伝わった」と驚かせた。 この日は長嶋茂雄終身名誉監督が杉内に電話で「強い巨人軍にしてください」と歓迎の意を伝えるサプライズ。8日の原監督に続く直電を受けた杉内も「初めてお話しした」と感激を隠しきれなかった。球団の総力を結集し、村田、ホールトンに続く補強に成功。原沢代表は「これが成功と言えるかどうかは来年を見ないと分からない」と言いながらも、“してやったり”の表情だった。 (井上学) PR情報
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