トヨタ・クラブW杯3位決定戦では、開催国代表でJ1王者の柏レイソルがアジア代表のアルサド(カタール)と対戦し、90分間では0−0で決着がつかず、PK戦を3−5で落として4位に終わった。アジア王者として出場した2007年の浦和、08年のG大阪に続く3位はならなかった。柏はPK戦で3人目が止められ、アルサドは5人全員が決めた。
念願の世界3位には手が届かなかった。90分間では決着がつかず、PK戦の末に敗戦が決まると、柏の選手たちはハーフライン上で、ぼう然と立ち尽くしていた。
「決定力ですね」。柏の選手が異口同音に話した通りの試合だった。アジア王者のアルサドが5バック気味に引いて守りを固めたこともあって、柏がシュート数、決定機の数で上回った。
だが、肝心のゴールは奪えない。前半27分にFW田中の左足シュートが右ポストをたたき、その1分後の決定機も田中のシュートはGKに阻まれる。さらに同39分、出場停止のMFレアンドロに代わって先発したMF水野のCKを、北嶋が頭で合わせたが、このシュートはGKに弾かれてしまう。6度の決定機をつかみながら無得点に終わった。決定力がJ1王者の新たな課題となった。
11日間で中2日、中3日の連続で4試合をこなした疲れも、最後に影響した形だ。「終わっちゃった。寂しいですね。日々成長しているのが分かった大会で、各国いろいろなサッカーとやれて面白かった」と振り返った北嶋。疲れた体の中で、今後への十分な手応えを感じた大会だった。
J2から、わずか2年で世界4位に輝いた柏は休む間もなく、中2日で天皇杯4回戦の名古屋戦(瑞穂陸)に臨む。「今日負けたことで、よりタイトルへの思いが強くなった。天皇杯は絶対に勝ちます。そしてアジア王者として、またこの大会に戻ってきます」。来年、アジア王者として戻ってくる強い決意を胸に、ミスター・レイソルが再出発を誓った。 (相原俊之)