私立青森山田高(青森市)野球部の1年生部員(16)が同部の寮で意識不明となり搬送先で死亡した問題で、この部員は寮内で禁じられていた焼き肉をしていたのを先輩の2年生部員(17)にとがめられ、背中を殴られていたことが同校への取材でわかった。青森署は暴行の疑いもあるとみて、19日に遺体を司法解剖して詳しい死因を調べている。
同校によると、死亡した部員は18日夜、他の1年生部員3人と寮2階の空き部屋で焼き肉をしていた。午後11時過ぎ、2年生部員が通りかかってにおいに気づき、この部員を廊下に連れ出して背中を殴ったところ、殴られた1年生部員は苦しみ出したという。当初は会話ができたが、次第に容体が悪化。柔道整復師が心臓マッサージをしたが回復せず、寮のコーチが同11時16分に119番した。市内の病院に搬送されたが、19日午前1時ごろ亡くなった。
殴られた部員と殴った部員は、同じ大阪府出身だった。寮内は火を使う焼き肉が禁じられており、就寝時間も午後10時と決められていた。同校の渡辺俊治事務長は19日「捜査結果を待ち、記者会見で詳細を明らかにしたい」と話した。
同校野球部は02年から監督を務めた渋谷良弥氏(64)が今夏退任し、コーチだった美斉津(みさいつ)忠也氏(34)が後任に就いていた。【鈴木久美、高橋真志】
毎日新聞 2011年12月20日 0時08分