韓国の国史編纂(へんさん)委員会の傘下機関は19日までに、2013年からの高校歴史教科書に元日本軍従軍慰安婦の記述を義務づける方針を決めた。同機関は国定教科書の記述の基準を定める権限を持つ。慰安婦問題はこれまでも記述されていたが、義務ではなかった。
傘下機関は16日の公聴会で、日本統治時代に起きた強制動員を巡る記述基準の方針を説明。その後、慰安婦問題の記述を求める指摘があり、方針を変更した。今月末に最終決定する。
一方、韓国各紙は19日付朝刊で、日韓首脳会談で慰安婦問題の解決を求めた李明博(イ・ミョンバク)韓国大統領の発言を好意的に報道。社説でも「韓日が前に進もうとするなら、慰安婦問題を解決すべきだ」(東亜日報)、「勇気ある決断が必要」(中央日報)などと、日本側の譲歩を促した。
同時に、ソウルの日本大使館前に設置された記念像の撤去や竹島の領有権問題を取り上げた日本側の対応を批判。日韓関係が当面停滞するとの見方を示した。(ソウル=牧野愛博)