ブックリスト登録機能を使うには ログインユーザー登録が必要です。
  押し入れの異世界 作者:コスモス
15 太陽が黄色いようです。
 私の携帯電話の時計は、現在1月1日午後9時15分。
実は、お正月の夜なのだが、いろいろあって忘れていた。まぁ、此方とあちらの時間軸が異なるだろうことは覚悟していたので、私的にはお正月でも、此方はありふれた日常の一日に過ぎない。
しかぁ~し!私は拘りたい。断固として!此方の世界ではお正月らしいことが、何一つ出来ないことは分かってたが、唯一つ、たった一つだけ、出来ることがある。

はい、そこのあなた(だれ?)正解ですよ~!
そう!それは、我が国古来より連綿と続き、決して一人ではできない神聖かつ欠くべからざるところの“姫始め”という伝統儀式だぁぁぁ!
はぁはぁ・・・

そのために夕食の宴会を早めに済ませるよう根回(日本人ですから?)し、食後の別れ際に、スンに視線でサインを送り、荷物を片付け、ベッドにも入らずに彼女を待ち侘びていたわけぽ・・・じゃなくて“よ”お客さん。(だからだれ?)

と云う分けで、スンが部屋にやって来た時、私は直ぐにスンをベッドに押し倒した。
その時、彼女が私のプレゼントした夏用パジャマを着ていたこととか、枕を抱えていた姿に異常に萌えたとか、ノックの後の声が既に女の子言葉だったとか、私の頭はいろいろすごい事になってしまっていた。
所謂、野獣状態。

とってもお高い部屋で、ちょっと余裕を持って彼女を迎え入れ、お酒を少し飲んで、摘みを口にし、楽しい会話で盛り上げて・・・知るかぁぁぁ!
スンは可愛い、すんごい美人で、すごく健気で、なにより、私なんかを好きだと云ってくれる最高の彼女なんだ。
一気に押し倒す以外に何をするって?バ~カ!バ~カ!














・・・・・・・・・・都合により一部削除・・・・・・・・・・



















それでも忌々しいことに朝はやってくる。
私は神竜の体を持つために、体力が異常に増強されているらしい。その私にスンを付き合わせるのは無謀かもしれない。ついさっきまで嬌声を上げていたスンは、キングサイズのベッドの上で、うつ伏せの状態のまま力尽きたように眠っている。
風邪を引かないよう、美しい裸体をシーツで包みながら、男の悲しい性だろうか、スンが満足してくれたか?喜んでくれているか?とても気になった。
これが、賢者モードというやつか?
それから、昨晩、自分がやらかした何から何までもが、恥ずかしくなってきた。

夜が早い分、異世界の朝は早い。まだ薄暗いのに、窓の隙間から見える町の通りには既に人の姿があった。
私は、外が明るくなり始めるとスンが部屋に戻りづらくなることを思い出して、断腸の思いでスンを起こすことにした。また、「あと、5年」とか云いださなければ良いが・・・

「スン、起きて。朝だよ。早く自分の部屋に戻らないと、まずいんじゃない?」
「ん、ん~ん・・・・おはようシュン」

薄く眼を開けて気だるげにスンが朝の挨拶をする。
駄目だから・・・そういうの。可愛すぎる。しかし、ぐっと我慢する。
そして、スンがシーツを巻き付けたままベッドに起き上がり、目を擦りながら此方を向く。
空気を入れ替えようと少しだけ開けておいた部屋の窓から、ちょうど朝日が差し込んできてスンの顔を照らす・・・て、えッ?

しまったぁぁぁぁぁ!
私は慌ててスンをベッドから抱き上げると、小さな悲鳴を上げるスンを無視して、ベッドの脇に立たせる。そして、巻き付けていたシーツも剥ぎとると、スンが明るくなった部屋で恥ずかしがるのも無視して“気を付け”の姿勢を取らせた。顔が真っ赤。
それから、近くによったり、離れてみたり、後ろから、前から、何度も確認した。
スンはその間、恥ずかしそうにしていたが、だが、私の様子がおかしいことに気が付いて、怪訝な表情を見せた。

若返っている!

もう、“お肌スベスベの強力版”では済まされない。
もともとスンは若々しくて、綺麗だし、可愛いが、それでも年齢に見合った美しさであり、成長が止まったような美しさではなかった。
そういう人は最初から『永遠の美少女』とか表現するべきだろう。そして、その場合、その人が実際に歳をとると、大概、何処かに不自然な違和感を生むものなのだ。
だが、今のスンはどう見ても、青春真っ盛りの10代に“しか”見えない。

やってしまった・・・
すっかり、自分の能力を忘れていた。でも、今回も、コンちゃんは使用したのに。
あぁぁぁぁ!・・・この場合、避妊だけじゃ駄目なんじゃ?
もしか・・・しなくても・・・“あれ”が原因だな。
エッチが止まらない
エッチ過ぎたみたいです(11/21)


+注意+
・特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
・特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)
・作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。