【社会】「混乱しないか」 戸惑う日朝関係者2011年12月19日 14時28分 在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)愛知県本部は、文光喜常任委員長(61)や事務員らが正午すぎから、各地からの問い合わせの対応に追われた。 文委員長は報道陣に「精神的な支柱。希望の星が、急に亡くなった。病気だったが、中国、ロシアを訪問するなど先頭に立って現場を指導してきた。それを思うだけで涙が出てくる」と語った。 女性事務員(54)も「こんなに早く亡くなるなんて。今後が不安」と涙をぬぐった。 朝鮮総連岐阜県本部の関係者は「金総書記を先頭に、みんなで一致団結してきた。訃報は信じられず、気持ちの整理がついていない状態だ」と話した。 一方、在日本大韓民国民団(民団)岐阜県地方本部の董勝正事務局長(61)は「最近、頻繁にロシアや中国を訪問し、あせっているように思っていた。(後継者の)金正恩はまだ若い。体制を維持できるのかが注目される」と述べた。 民団三重県地方本部の韓久事務局長は、日本人拉致問題に言及し「後継者が、事実を認め、進展するかもしれないとの希望はあるが、現時点では分からない」と指摘した。 岐阜朝鮮初中級学校(岐阜市柳津町)の朴九令校長は「子どもたちにもまだ話していない。どう伝えるのかをこれから話し合う」と緊張した表情。男性職員は「偉大な父の跡を継いだ、偉大な人だった。後継の息子はまだ若い。混乱しないか心配」と話した。 韓国語教室を運営する愛知県清須市の在日3世、韓基徳さん(53)は「あと数年かと思っていたが、突然にその日が来て、驚いた。金総書記が生きているうちにもっと南北融和が進めば良かったのだが」と振り返った。 韓国と北朝鮮を結ぶ鉄道建設を進めるNPO法人「三千里鉄道」(愛知県豊橋市)の理事長で、在日2世の都相太さん(70)は「南北共同宣言の理念が揺るがないよう、両政府は冷静に対応してほしい」と求めた。 共同宣言は2000年6月、金総書記と金大中・韓国大統領=故人=が平和統一の原則を約束。都さんは「2人とも亡くなったのは寂しい思い。緊張関係もあったが、互いに自制を利かせていただけに、それが崩れないかが心配」と話した。 (中日新聞) PR情報
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