李明博(イ・ミョンバク)大統領と日本の野田佳彦首相は18日、京都迎賓館で首脳会談を行った。両首脳は今年8月末の野田首相就任後、2国間会談で2回、国際会議で3回会っている。6回目となる今回、両首脳は「言うべきことは言う」と心を決めていたかのように見えた。
野田首相が両国間の経済協力問題で口火を切ると、李大統領は「経済問題の前に歴史の懸案、慰安婦問題の話をしなければならない」と切り返した。李大統領は「慰安婦問題は、日本政府が認識を変えればすぐに解決できる問題だ。法以前に国民の情緒、感情の問題だ。元慰安婦のおばあさんたちは平均86歳で、今年も16人が亡くなった。数年後には全員がこの世を去ることも考えられ、そのときには解決する道もなくなる。実務的な発想よりも、首相の大きな次元での政治的決断を期待する」と強調した。
■「平和の碑」撤去めぐり激突
野田首相はこれに対し「慰安婦問題に対する日本政府の法的立場はご承知の通りなので、重ねて話すことはしない。われわれも人道主義的な配慮から協力してきた。今後も人道的な見地から知恵を絞っていく」と答えた。慰安婦問題は法的に解決済みとの立場に変わりはないことを、改めて示した格好だ。野田首相は続けて、元慰安婦や支援団体が在韓日本大使館(ソウル市鍾路区)前に慰安婦問題を象徴する銅像「平和の碑」を設置したことに対し「残念だ。実務レベルの意見はすでに伝えられたものと承知している」と述べ、撤去を要請した。
李大統領はこれについて「日本が少しだけ関心を見せれば起こらなかったことだ。誠意ある措置がなければ、おばあさんが亡くなるたびに第2、第3の銅像が建つだろう」と返答した。