ここから本文エリア 現在位置:asahi.com> マイタウン> 鹿児島> 記事 川内原発の安全性は? 地震対策、九電に聞く2011年3月17日 東日本大震災により、福島第一原子力発電所で爆発や火災が相次いでいる。世界最大級159万キロワットの3号機増設計画を進める九州電力川内原発(薩摩川内市)の安全対策は十分なのか。九州電力に説明を求めた。 ――事故が相次いだ福島第一原発と川内原発の違いは。 「原子炉の仕組みが違う。福島第一は、原子炉の中で水を沸騰させて蒸気を発生させる沸騰水型炉(BWR)。川内原発は、原子炉内でできた熱水を蒸気発生器に送り、別の水を蒸発させて発電タービンを回す加圧水型炉(PWR)。どちらが安全上優れているかは言い難い」 ――福島第一では、緊急炉心冷却システム(ECCS)が機能せず、原子炉を冷やすことができなかった。川内原発の冷却システムは。 「川内原発の冷却システムは蓄圧、高圧、低圧の3系統計8台が用意されている。原子炉が止まって発電できなくなった場合、外部の火力発電所やディーゼルの非常用発電機でECCSに電力を供給する。このほか、原子炉外の給水ポンプで冷却水を送ることになっている」 「加圧水型炉は沸騰水型炉と違い、蒸気にするのは原子炉内とは別の水。そのため、蒸気発生器の蒸気を大気中に放出することで安全に熱を逃がすことができる。こうした安全対策を組み合わせることで、原子炉の空だきを防ぐ仕組みだ。3号機も改良型の加圧水型炉になる」 ――川内原発の地震対策はどうなっているのか。 「川内原発の周りにも複数の活断層があり、最大でマグニチュード7.3の地震が想定される。だが、川内原発は固い地盤の上に建設されており、原子炉など重要施設は一般建築物の3倍の基準で建てられている。地震対策ではガル(加速度)という単位を使うが、川内原発は540ガルを最低ラインに設計されており、震度5弱相当の160ガルで自動停止する仕組みだ。1997年の県北西部地震(マグニチュード6.2、震度6弱)では、川内原発で68ガルを観測したが、異常はなかった」 ――地震に伴う津波対策は十分なのか。 「津波は最大3.7メートルを想定してきた。原子炉は標高13メートルの高台に建設されている」(森本浩一郎)
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