チェルノブイリの事故5年後の1991年にウクライナの法律で制定された汚染地の定義をチェルノブイリゾーンと呼ぶのだそうです。今回の福島原発事故の報道でも「〇〇市の一時間当たり△△マイクロSvという線量はチェルノブイリの時には移住が義務付けられていた線量だ」などという話を耳にしますが、このチェルノブイリゾーンに基づく話だと思われます。

以下「自分と子どもを放射能から守るには(世界文化社)」より引用一部改変してあります。

             Cs137の土壌汚染密度 年間被曝量
ゾーン名         (Bq/平方メートル)(mSv/年)
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1. 避難(特別規制)ゾーン     n.d.       n.d.
(原発30km立入禁止区域)
2. 移住義務ゾーン        555k以上     5以上
3. 移住権利ゾーン       185k〜555k    1〜5
4. 放射能管理強化ゾーン    37k〜1855k    0.5〜1

引用終わり。

もちろんこのような線引きが出来るまでには相当な紆余曲折があったことは想像に難くありません。5年という歳月もそれを物語っています。しかし、客観的にみてこのチェルノブイリゾーンによる線引きは概ね妥当なように感じますが如何でしょうか。
法律により強制的に立ち退きさせられる方々のご苦労は想像もつきません。しかし、何の援助もなく子どもを連れて避難されている方々の苦労や、子どもを避難させたくてもさせられない方々の懊悩を思うと、移住に関する線引きを一刻も早く決定し移住に関する援助を実行に移す必要があるのではないでしょうか。

以下の図は文部科学省のサイトにあるセシウム137の沈着量を示す航空機モニタリングの結果です。チェルノブイリ事故と比較すると高濃度汚染地域は一回りも二回りも狭いのですが、日本の方が人口が密集しているため、チェルノブイリよりマシとはとても思えません。福島原発事故の移住対象地域はどのように決めていくのでしょうか。

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