華織を閉じ込めていたケースが消えた。 (え?) 「どういうつもり?」 不審の念が声色に混じる。 クローディアは妖しく光る瞳を少し細めた。 「別の方法もあるけど・・・あなたには仲間の手で生まれ変わってもらうわ」 「生まれ変わる?何を言っているの?」 答えずにただ妖しく笑うクローディアに華織は寒気すら覚える。 「やりなさい、楓」 「はい、クローディア様」 嬉しそうに答えてクローディアの命令に従う楓の影を直視できずに視線を逸らせた。 (楓までこんな・・・) 唇を強く噛んだ華織に楓が近寄る。 「ふふっ・・・さあ華織さん」 楓が腕を伸ばし華織の細い指に触れる。 払いのけようとして気付いた。 身体に力が入らない。 「なんで・・・?」 「無駄ですよ。ここでは今の華織さんでは動く事は出来ない」 私達は平気ですけど、と続けられた言葉。 華織からは楓の表情は見えない。 「ふふっ・・・」 「なっ・・・!」 楓が無理やり華織を押し倒した。 馬乗りになって身体を押さえつける。 「何をする気?!」 「とってもいいこと、です」 楓は艶然と笑みスーツの裾からするりと手を差し入れた。 その手が華織の肌に触れる。 「さ、触らないで!」 「聞こえません」 白い手が素肌の感触を楽しむように這い回る。 身体と身体とを密着させ始めた。 「か、楓?あなたその胸は・・・」 「あ、これですか?クローディア様に身体も作り変えて頂きましたから。ふふっ、ゾラーク様も喜んでくださいましたよ」 暗闇で見えなくても判る豊満な感触。 楓の肉体が全く別の物へと変化していることを華織はようやく悟った。 「いったい何をされたの・・・」 「あ、大丈夫ですよ。痛くないですから・・・そろそろですよ」 「あ・・・」 何が、と聞き返す前に変化が起こる。 弛緩していた身体が震え、わずかな間に全身へと疼きが広がっていった。 「どうなってるの・・・?」 「始めますよ・・・」 楓が華織の胸を掴んだ。 いきなりの強烈な刺激に身体が震える。 「あっ・・・は、放して!」 「嫌です」 ゆっくりと掌を握っては開き華織の胸を揉み上げる。 「く・・・あっ・・・」 掌が動くたびに華織の口から吐息が漏れる。 それは次第に熱を帯び始めた。 「か・・・あ・・・や、やめて、楓・・・」 「ふふっ・・・」 胸を掴みながらも一方の腕は華織の肌を這い回る。 楓の白い腕が触れると肌はほんのり上気し呼吸は熱く荒くなってゆく。 「はあ・・・はあ・・・あ・・・」 楓の手がついに股間へ伸びる。 そこを覆う下着を剥ぎ取り一気に中へと進めてゆく。 指が、秘所に触れる。 「やっ・・・」 まだ他人には触れられた事のない場所を触られ、華織が腰を浮かしかける。 それを押さえ込み、さらに指を進めてゆく。 「あっ・・・」 肉壁を指の腹で擦られ、華織は思わず声を上げた。 「ふあっ・・・そんな・・・そこは・・・」 「ふふっ、初めてなんですか?それにしてはもう濡れていますよ・・・」 壁はすでに湿り気をかすかながら帯びていた。 指はさらに奥へと沈められ、愛蜜を絡めながら刺激を強めてゆく。 「いや・・・やめて楓・・・」 官能を刺激され、頬を上気させ、身体を火照らせながらも華織は必死で抗議の声を上げる。 だが楓の指はなおも蠢き続ける。 「そんなこと言って・・・こんなに濡らしているのに・・・」 「やあっ!」 床に押しつけられている身体が一瞬反り返り、震えた。 内側で指が蠢くたびに身体をくねらせながら喘ぎ声を漏らしている。 「あっ、はあっ、は・・・あ・・・」 「ふふっ、華織さん。気持ちいいでしょう」 「あ、う、あ・・・」 次第に華織の瞳から意志の光が薄れてゆく。 「ほらほら、これならどうです?」 「あ、あ、ああっ・・・」 壮絶な快感に華織の意識は飛びかけ、混濁している。 「ああっ・・・何で・・・気持ちいい・・・」 「ふふっ、そうでしょう」 かき混ぜられた腔内から濃い白液が流れ落ち、首筋や頬は熱で朱に染まり、口からは涎がこぼれ出す。 その額に、赤黒い紋章が浮き上がる。 快楽で燃える華織の身体はうねりくねり紋章の輝きが増し、愛液がこぼれ落ちている。 「ふうっ・・・ああっ・・・すごい・・・熱い・・・でも気持ちいい・・・」 楓の手は休むことなく動き回り胸を揉みしごきながら秘所を掻き混ぜてゆく。 その度に華織の口から熱い吐息が漏れた。 甘く熱い快感にその身体は震え、腰は振られている。 「さあ華織さん、このまま受け入れましょう」 「はあ・・・はあ・・・はあ・・・う、受け入れる・・・?」 「そうすればもっと気持ちいいことが出来ますよ・・・」 「や、そんな、の・・・ああっ!」 なお意志をわずかに残す華織が拒絶を言葉にしかけ、できなかった。 乳首を強くつねられ、激烈な刺激による絶叫が闇を裂いた。 「あまり意地を張らない方がいいですよ・・・」 「ふあっ、あ、あ・・・」 敏感な部分を刺激され続けた華織の意識が快楽に溶かされてゆく。 闇が、意志を持っているかのように動き出した。 華織の纏っていたスーツが、崩れ始めていた。 徐々に闇に食われてゆく。 スーツが闇によって溶かされ消えてしまう。 闇は休むことなく華織の身体に密着し始めた。 華織が喘ぐたびに闇は華織の身体に密着する。 それは華織をさらなる快楽の渦へと誘う。 「ああああっ!」 あまりの快感に華織は絶叫し、喘ぎ声を奏でる。 全身に付着した闇は、容赦なく華織を刺激し、精神を侵す。 (ああ・・・これ、何なの・・・気持ちいい・・・私はゾラーク様に・・・いや・・・違う・・・なんでゾラークなんかに・・・ああ・・・やっぱり気持ちいい・・・私は・・・ゾラーク様に絶対の忠誠を・・・だ、だめ・・・) 華織のティアラで黒い紋章が脈動する。 麻衣や楓と同じように。 「これで華織さんもゾラーク様に・・・」 「やっ、あっ、ああっ、あああっっ・・・」 甘美なしびれが、華織の精神すら完全に麻痺させた。 激しく喘ぎ声を出しながら快楽を貪る。 (あはあ・・・気持ちいい・・・私は・・・ゾラーク様の奴隷・・・私は・・・ゾラーク様に絶対の忠誠を・・・私のすべては・・・ゾラーク様のために・・・) 同じ言葉が何度も何度も華織の脳内で繰り返される。 彼女の瞳は淫靡な悦びに輝き、よだれが口元からこぼれている。 秘部からは、だらしなく愛液が流れ出す。 「もっと・・・私の中に・・・」 「ふふっ、それでいいです・・・受け入れるんです。闇の力を。そのすべてを。華織さんを新しい世界へと導いてくれますから・・・」 「あああああっっっ!」 ついに華織が、絶頂に達した。 その瞬間、暗黒が耳、口を始め穴という穴から華織の内に入り込む。 (入ってくる・・・私の中に・・・ああ・・・) 華織の全てが、薄れ、溶けてゆく。 華織の身体が、精神が内側から作り変えられてゆく。 不快さはなく、すべてが吹き飛んだような爽快感だけがあった。 (なんて・・・深く、安らかで・・・気持ちいい・・・の・・・) 意識が、闇に飲まれ、薄れる。 華織の瞳から涙がこぼれた。 それは、誰の為の涙だったのか。 世界の人々か、自分か、想い人か、仲間か。 華織の意識は漆黒に塗り固められ。 そして、全てが、終わった。 ゾラークの前で、華織が膝を折っていた。 その姿は完全に変貌している。 身体を覆う部分はボンテージに変化し、その漆黒は艶を帯びている。 両手の黒いグロ−ブでは刺々しい装飾が二層で形成されている。 ブーツはより硬質に変化し、黒く艶々としている。 ティアラの宝玉と鷲は漆黒の輝きを発し、唇は赤紫に塗られ、真紅に輝く瞳が妖しく光っている。 「おまえのやるべきことはわかるな、ダークグリフォン・・・?」 嬉しそうに訊ねるゾラークに、 「わかっています、ゾラーク様。邪魔な奴らを皆殺しにしてくればよいのでしょう・・・?」 答える華織の声も、喜悦に歪んでいた。 「ぎゃあっ!」 「いやあああっっっ!」 「に、逃げろ、逃げるんだ!」 逃げ惑う人々を、魔獣が追いかけてゆく。 一部の人が残された飛行機で逃走を図った。 だがその前にも、魔獣が現れる。 羽根が飛行機を撃ち落とし、落下した鉄の塊は爆風を巻き起こした。 爆発に巻き込まれ、人々が紙のように吹き飛ぶ。 それをまぬがれた者も、尖ったくちばしや、鋭い牙によって引き裂かれてゆく。 阿鼻叫喚の地獄が現出していた。 惨劇を引き起こす魔獣達の先頭に立っているのは、三人の少女だった。 ショートカットの少女が腕を一振りし、爆炎が人々を生きたまま焼き尽くす。 生きながら焼かれた者は、絶叫をまき散らしながら絶命する。 少女は不気味な色彩の赤と漆黒で構成されたレオタードを身に纏っていた。 膝頭まで覆うロングブーツと肘まで包み込むグローブはエナメルの硬い漆黒が艶やかな輝きを発し、共に刺々しい装飾に彩られている。 ティアラに擬された不死鳥と宝玉は漆黒に輝いており、装飾は禍々しい。 赤紫に塗られた唇と、真紅に輝く瞳は妖しい魅力に満ちていた。 赤い光剣を携え、次々と人を焼き、斬り殺してゆく。 炎の中から、女の子が転がり出る。 まだ幼く、その背丈は一メートルを少し超えた程度。 彼女に、麻衣が近づいてゆく。 恐怖に顔を凍りつかせた彼女に、麻衣は狩るべき獲物を見つけた、猛獣のような笑みを浮かべ。 腕を、一閃した。 真紅の刃が、小さな身体を絶つ。 首が弾け飛び、鮮血が飛び散った。 自らの顔にも血を浴びた少女は、その返り血を舐め、楽しそうに笑んだ。 「きゃははははは!あー、最高ぉ!」 噴水のように噴き出した鮮血を、哄笑と共に浴び続ける。 見る者を凍てつかせる、邪悪で、残忍な笑みであった。 髪を左右に分けている少女は、赤い刀身を、生々しい血でさらに紅く染め上げていた。 少女が纏うスーツは暗い青が暗黒色に入り交じっていた。 ロングブーツは硬く刺々しい装飾に彩られグロ−ブは漆黒に輝いている。 両の腕や足はグロ−ブやロングブーツ以外覆われずに剥き出しで素肌を晒している。 その背中は覆われておらず、腰まで剥き出しで、あらわになった肌が白く美しい。 胸元は大きくはだけ、豊満な乳房を露出させている。 赤紫に塗られた唇が、真紅に輝く瞳と共に妖しい魅力を湛えている。 禍々しい装飾のティアラに擬された一角獣と宝玉は漆黒に輝いている。 全身からは、禍々しい闇のオーラが溢れ出していた。 その少女は、逃げ惑う人々を手当たり次第に撫で斬りにしてゆく。 楓が通った後には、事切れた人間の、首が、指が、腕が、足が、無惨に転がっていた。 人々の一団が、逃げ場のない場所へ追い詰められる。 楓の前で、赦しを請うように人々が膝を折る。 「邪魔・・・」 楓は、その人々すら容赦なく斬り裂く。 頭を割られた者もいる。 首を失くした者もいる。 文字通り身体を半分に分けられた者もいる。 両手両足を失い、だるまのように胴体だけで事切れた者もいる。 流れ出る血は、紅い滝のように壁を伝ってゆく。 「ふ、うふふ・・・」 殺戮の快感が性的欲望に直結し、楓はそのまま自ら陰部を弄ぶ。 「あははっ、あはははは・・・く、く、く・・・」 昏い悦びに酔いしれ、禍々しく凶暴な笑みを浮かべている楓は、歪んだ愉悦に耐えきれずに、陰部から愛液を垂れ流しながら、声を立てて笑い始めた。 「くっ、くっ、くっ・・・くけけけけけけけ」 邪悪な、悪魔の高笑いが響き渡った。 混乱し、逃げ惑う人々の中でその一団だけが魔獣に対し抗戦を続けていた。 火器の効かない魔獣に対し、塹壕を掘る、地面をぬかるませるなどした上で、刀やら槍やらを使い、時代を千年巻き戻したかのような戦いを続けている。 しかし、圧倒的な戦力の魔獣に追い詰められ、次々と倒れてゆく。 「ここでなんとしても食い止めろ!」 絶望的な戦況を、黒木隆之が仲間を叱咤しながら支え続ける。 「ここを抜かれたら終わりだ!」 これは誇張ではなく厳然たる事実であった。 ガルゼーダ帝国によって世界は制圧され、人々はこの極東の地に追い詰められている。 ガルゼーダ帝国に制圧された地域は、壊し尽くされ、奪い尽くされ、壊し尽くされて焦土とかしていた。 その地域には生きている人間は一人もいない。 「もしここを抜かれれば、やつらは都市部になだれ込むだろう。そうなれば、本当に世界は終わりだ!」 戦場の後方に位置する都市があり、多くの人々がここにいた。 この地に集まった者達が、この世界に生きる人の最後の生き残りである。 都市の人々が死ねば、本当に人類は滅び、この世界はガルゼーダ帝国の支配するところとなる。 そうさせてはならなかった。 「うおおおおお!」 黒木の双刀が奔り、前方、左右に閃光を描いた。 魔獣が次々と崩れ落ちる。 黒木の驍勇は疑いなかった。 火器の効かない魔獣を、剣技で圧倒する。 両手の刃が光るたび、斬り捨てられた魔獣が倒れ、崩れてゆく。 双刀が閃き、魔獣を両断する。 双剣は魔獣の黒い体液に濡れていた。 「好き勝手やってくれるわね」 猛戦を続ける黒木の前で、魔獣達が道を開けた。 長髪の少女の姿が認められた。 「君は・・・」 苦渋の表情を浮かべる黒木に向けて、華織は妖艶な笑顔を浮かべる。 「お久しぶり。元気そうで」 「よかった、か?俺が元気なことが、君にとって良いことなのか」 妖しく微笑む華織の両腕は彼女のものではない血によって赤黒く濡れていた。 「ええ、そうじゃないと殺しがいがないでしょう・・・?」 言い終えるより先に、真紅の剣を振るって黒木に突きかかった。 異様に速い斬撃である。 受ける方の反応も尋常ではない。 右の剣で斬撃をはじき返すと同時に、左の剣を突き出す。 これは、華織におそるべき速さでかわされる。 双方の動きは眼で捉えることは出来なかった。 「いいわ・・・ゾクゾクする・・・もっと私を楽しませて・・・」 心底戦いを楽しむ華織に、黒木は怒気を発する。 「君は、この世界を、人々を守って戦ってきたはずだ。それが何故、こんなことを!」 「私が愚かだったからよ・・・ゾラーク様にすべてを捧げ、ゾラーク様のために戦う。それが、私の存在意義だったのよ・・・」 「馬鹿な!そんなはずがない!」 「愚かにも逆らった私を、ゾラーク様は許してくださった・・・あの御方のために、虫ケラどもを殺し尽くすことで、罪滅ぼしをするのよ・・・そのために・・・あなたにも死んでもらうわ・・・ほかの奴らのようにね・・・ふふ、逃げる虫ケラを殺し尽くすのは楽しかった・・・」 血で染まった自らの腕を、恍惚の表情で眺める華織に、双刀の切っ先が向けられる。 「そうか・・・ならば俺は・・・君を斬る!」 身体を躍らせ、一気に斬り掛ける。 双刀が、閃光を発して華織に迫った。 次の瞬間、黒木の視界を白光が遮る。 視界を回復したとき、黒木の前に華織の姿はなかった。 「ぐうっ!」 次の瞬間、黒木の胸から腕が生えていた。 胸から、血がどぼどぼと流れ落ちる。 「終わりよ・・・死んで」 冷酷に告げた華織は腕を引き抜く。 おびただしい血が傷口から溢れ、地面に流れ出し、黒木の足元に血だまりができる。 「あはははははは」 紅に染まった腕を舐め、狂ったように少女は笑う。 かつての想い人をその手にかけたことが、楽しくてたまらないというように。 「ま、まだ・・・だ・・・」 驚嘆すべき事に、胸を貫かれながらまだ黒木は意識を保っていた。 「負ける・・・わけ・・・に・・・は・・・」 華織は、無知を嘲るような笑みを浮かべた。 都市の方向を顎で示す。 「むこうにいた奴らなら、心配する必要はないわよ」 「な・・・に・・・?」 「もうみんな殺したから」 どす黒い悪意がにじみ出すような笑みを浮かべる華織の姿に、黒木はその言葉が真実である事を悟った。 「・・・貴様あっ!」 怒気を込めた執念の一撃はあっさりと弾き返され、赤い光が奔ると黒木の右腕が斬り飛ばされた。 左の刃を振るう寸前に、容赦のない斬撃が再び黒木を襲い、左腕が肩ごと斬り落とされる。 黒木は膝をついた。 力が入らない。 脳裏を友人や家族と過ごした日常が、それを奪われた時が、戦い続けた日々が、次々と駆け巡ってゆく。 そのすべてが、走馬灯のように思い出され、消えた。 「ち・・・く・・・しょう・・・」 血だまりの泥濘に、ゆっくりと崩れ落ちた。 男の死に様を眺めやった少女は、狂暴で、冷酷な笑みを口元に閃かせ遺体を斬り刻んだ。 華織は、赤く紅く染まっていた。 真紅に染まった瞳。 赤く染まった両腕。 朱に彩られたスーツ。 真っ赤に染まった――微笑み。 悲鳴はやむことなく響き渡り、大地は紅に染まった。 その様子を要塞ガルラダから眺めたゾラークは、凶悪に笑った。 「悲鳴ほど耳に心地よいものはないな」 倣岸に笑い続けるゾラークにクローディアがうずうずした様子で近寄る。 「あの・・・ゾラーク様・・・私も・・・」 女の懇願に、ゾラークはまた別種の笑みを浮かべた。 「もちろんだ。余に最も忠実な女よ・・・」 顔を輝かせるクローディアにゾラークは昔日を思い浮かべた。 (あれがこうなるとはな・・・) ある時侵略した世界で最も激しく抵抗したのがこのクローディアだった。 群を抜く智謀を有するクローディアを長い戦いの末に捕虜にしたゾラークは、あの空間、麻衣や楓や華織を変貌させたあの空間でひたすら犯し続け、その身体に邪悪でゾラークに忠実な思考を植えつけた。 結果、クローディアは邪悪な女へと変貌し、ゾラークの謀臣として、女として忠誠を誓った。 (今は心も身体もこのゾラークの物・・・これからも余の役に立ってもらおうか・・・) クローディアの豊満で妖艶な肉体をゾラークは押し倒した。 クローディアが歓喜の声を上げたのはその直後の事だった。 世界を制圧した帝国はさらなる獲物を求めて別の次元へと向かう。 「次に狙う世界はどこにする?」 「ゾラーク様の御望みのままに」 膝を折って返答するクローディア。 その背後で跪く三人。 その姿を見やりゾラークは唇を奇妙な形に歪めた。 < 終 >
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