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「生活保護返上したい」在日外国人母親らが日本語学習に熱、背景に夫のDV/神奈川

2011年12月18日

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 在日外国人の子どもや保護者の「居場所」となっているNPO法人「在日外国人教育生活相談センター・信愛塾」(横浜市南区)で、外国人の母親たちが熱心に日本語を学んでいる。現在、通うのは日系ブラジル人とフィリピン人の計3人。いずれも日本人夫のドメスティックバイオレンス(DV)から逃れて生活保護を受けながら働き、子どもを育てている。生活の自立と生活保護の返上を目指し、学習にも熱が入っている。

 「日本語を勉強していい仕事に就き、生活保護をやめたいんです」。9月から学習を始めたフィリピン人女性(43)は、こう訴える。1992年に初来日し、現在はフィリピン国籍の長男(18)と日本人夫との間に生まれた日本国籍の長女(8)の3人で暮らしている。

 シングルマザーとなった原因は、長女の父親からの暴力。現在はホテルでベッドメークをして働いているが、とても生活費を賄えず、生活保護を受給している。だが、現状に甘んじまいと、自立に向けて仕事をしながら信愛塾に通うことに決めた。

 これまで働いた深夜の弁当工場では日本語を求められず、簡単な日常会話しかできない。漢字圏でないため読み書きも至難の業で、子どもの学校の連絡も理解できずにきた。また、言葉が不自由なことで、仕事にも制約があった。「日本人と友達になりたいけれど、言葉が不安でコミュニケーションが取れない。子どもの宿題も見てあげられない。頑張って学びたい」。現在は滞在ビザを更新して生活するが、今後は生活保護を返上し、一般永住の資格を取ることが目標だ。

 信愛塾が無料で日本語指導を始めたのは、今年8月。日系ブラジル人の母親に「教えてほしい」と頼まれたことがきっかけだ。教室では、小学生レベルの漢字のほか、仕事に必要な用語などを教えている。

 同NPO法人では、子どもたちの学習支援のほか、保護者など外国人からの生活相談を受ける。4月から11月末までの相談件数は327件。その約6割が母子家庭だった。大半は、日本人夫から暴力を受けたり、「新しい女性ができた」と家を追い出されたりして、子どもを抱えて苦しい生活を送る。生活保護の受給者も少なくない。だが、自分の力で暮らしたいという意欲も高いという。

 竹川真理子センター長は「これだけ外国人の母子家庭が多い背景には、日本人夫の外国人蔑視もあるのだろう。これらの親子の居場所となり、自立の支援もしたい。親が懸命に学ぶ姿は子どもにとってもいい刺激になっている」と話している。

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