貴女の人気に嫉妬
- 291 :名無しさん@ピンキー:2008/05/15(木) 17:38:08 ID:Icxx1pcB
- この――快感が、私を変えていくのだろうか。
指先から肩が熱く茹ったように火照る。見れば、薄らと斑の文様が浮かび上がってきていた。
これは、悪魔たる証を証明する骸骨のシグナル。
なぜ、こんなものが――。
しかし、思考とは裏腹に、文様の侵食は広がっていく。肩へ。乳房へ。腹へ。
「ひ、ぐっ」
ついには尻まで悪魔の印が刻まれようとした時だろうか。
ずぼおっ。
擬音が部屋の中に生まれた。
「し、尻尾……?」
手探りで後ろの割れ目を触る。すると切れ目の始まるちょうど上――尾骨から黒く細長いものが確認できた。
恐る恐るそれを顔の前まで持ってきて両手で握った。
どくん、どくん。
さながら動悸のように、まがまがしくもはっきりと動いている。
これ、私の尻尾……?
状況が把握できず、ただ混乱する頭。
「――いっ!! あっ、ああっ」
けれど更に、考える脳を邪魔するかのように、文様の侵食が再開された。
弓のようにしなる肉体。
腕がぴんと張り、付随して指先もこれでもかというほどに広げられた。
どさっ、とベッドに倒れこむ。
いつもは太陽の匂いを多分に含んだ柔らかいシーツも、今は体温を上げる一つの要因になっていて、それすら彼女を恐怖させた。
意味が、わからない。
思考が止まる。
快感がせりあがって来て、体の中を乱反射する。
ぱり、ぱり。ぱり、ぱり。
「いやぁ!!」
刹那に体を丸めた。
そうしなければ、背中から生まれるものが皮膚を突き破り、血が爛れることを本能的に理解したからだ。
しかし、それを許したくはない。でも。
「いや、何なの! 何なのよ!! これは!!」
ばりっ、ばりっ、ばりっ。
「あ――ああっ」
浮き上がってきた。水中に沈んだものが顔を出すように、ゆっくりと。
そして、生まれた。
人間であることを否定する、黒曜の翼が。
わ、私――。
- 292 :名無しさん@ピンキー:2008/05/15(木) 17:41:08 ID:Icxx1pcB
- 神の投下はまだなのか……と、思っていたら、こんな電波が受信されました。
職人様、投下待ってます。
- 311 :名無しさん@ピンキー:2008/05/16(金) 00:38:13 ID:HJpkkGxU
- >>291
無駄におっきさせて俺をもてあそぶなんて…
お前が…お前が291…。
- 313 :名無しさん@ピンキー:2008/05/16(金) 06:48:18 ID:sq6ZUy4V
- >>291
その文章力・・・・作品にしてみる気はないかね?
- 314 :名無しさん@ピンキー:2008/05/16(金) 12:53:53 ID:i0zv4ne4
- >>291
PCの前で全裸正座して待ってる俺は、報われるよね?
- 315 :名無しさん@ピンキー:2008/05/16(金) 12:57:33 ID:xJe/hEfz
- >>291
おまえが新たなる神、いや魔神となるのだ!
- 316 :名無しさん@ピンキー:2008/05/16(金) 14:30:59 ID:eWKdM4l/
- >>291
魔神が生まれた日と聞いて
- 317 :名無しさん@ピンキー:2008/05/16(金) 15:05:02 ID:yKZdUuhL
- 1レスだけでこれほど反応してもらえる>>291の人気に嫉妬
- 321 :名無しさん@ピンキー:2008/05/16(金) 19:52:41 ID:OpB8jCZU
- >1レスだけでこれほど反応してもらえる>>291の人気に嫉妬
何か、ヒントを得た
今から291と317をメインにした悪堕ちSSの作成に取り掛かる
- 325 :貴女の人気に嫉妬:2008/05/16(金) 21:32:24 ID:OpB8jCZU
- そして・・・唐突に本編は始まる。
___________________________________________________________________________________
「>>317ちゃん、その姿は・・・・・・」
「ふふふっ 生まれ変わった私の姿はどう?>>291」
そう言って、豊かな胸を誇らしげに逸らせながら、317は蟲惑的に首を傾げ、291を睥睨した。
「良いでしょう?この綺麗な光沢の翼と尻尾。「」様につけていただいたのよ?」
蛇の様にしなり、先端から透明な毒の雫を垂らす漆黒の尾。
宵闇のマントを思わせる、異形の鳥の羽をひるがえしながら
317が尊称を込めて言ったその名を、しかし、291は聞き取ることができない。
否、正確には認識することができなかったと言うべきか。
なぜならその名は、一般の人間には発音不可能にして
その精神の在り様を理解することなど到底不可能な、忌まれし者達の総称だったからだ。
「それにこの尻尾・・・とても便利なのよぉ? ・・・こんな風にねえっ!」
ビュンッ!
- 326 :貴女の人気に嫉妬:2008/05/16(金) 21:33:54 ID:OpB8jCZU
- 「あっ!?」
風切り音をあげてしなる、鞭のような尻尾の先端が掠り、291が短い悲鳴を上げた。
痛みに顔をしかめる391の内腿に、うっすらと赤い線が走り、ほどなくして、赤い血がつぅっと滲み出る。
317に生えた爬虫類を思わせる尾は、その先端が鋭利な刃物のように尖り
槍の穂先よりも鋭い切れ味を持っていた。
「や、やめて317ちゃんっ!? どうして私と貴女が戦わなければならないのっ!」
「この期におよんでも、イイ娘ちゃんぶった態度は変わらないのねぇ219
でも・・・私の尻尾に傷つけられて、いつまでソレが続くかしら?」
「それはどうい・・・・・・うっ?!」
その疑問の言葉を、しかし291は最後まで言い終える事はできなかった。
疑問を言葉にする前に、己の内側から唐突に、灼熱の如く熱くネッとりとした
情動の溶岩(マグマ)が、291の全身の血管を凄まじい勢いで駆け巡るかのように吹き上がったからだ。
「ううっ、うあっ、うあああああああアああああっ!」
ガクガクと膝を震わせてうずくまる291の内腿を、赤い血に混じって、透明な液体がしとどに濡らしていく。
それはスカートの奥に秘められた亀裂から、泉のように溢れ出し
パンティの布地さえも抑えきれぬ量を持って、溢れ出してきた彼女自身の愛液だ。
「本当に便利だわぁ。この尻尾」
男性器を思わせるような、ハート型に尖った己の尾。その先端からしたたる透明な雫を
蛇のような舌使いでチロチロと舐めながら291を見下ろす317。
その顔にニヤニヤとした、嘲笑の笑みを張り付けたまま、彼女は勝ち誇る者 特有の余裕を見せ付ける。
- 327 :貴女の人気に嫉妬:2008/05/16(金) 21:38:55 ID:OpB8jCZU
- 「器用に物を掴むことができるし、気に入らない相手の心臓を串刺しにしてやる事だってできる。
男のモノみたいに女を犯して、何日でも可愛がって、綺麗な悲鳴を奏でる事もできるの」
無邪気な子供のようにクスクスと笑いながら、にこやかに邪悪な言動を紡ぎあげていく317。
そこには、かつて291が慕った、実の姉さえも思わせる優しさ、慈愛。その面影は、微塵さえも残っていない。
「そして・・・この先から出る淫毒は、どんな聖女だろうと、はしたない嬌声を上げてよがり狂う雌犬に変
えちゃう、物凄ぉい ビ・ヤ・ク♪」
「はぁ・・・はぁっ、317ちゃん・・・なん、で・・・?」
苦しげな息と共に吐かれる291の、ただの純粋な疑問から出たその言葉。
ピクリッ
「・・・『何で』・・・? ・・・ねぇ? 今、『何で』って言ったかしら291?」
その何気ない一言に、317は、思いがけぬ反応を示すのであった。
- 328 :名無しさん@ピンキー:2008/05/17(土) 00:17:04 ID:3hU4/g3q
- 「何でだなんて・・・決まっているわっ!貴女が憎いからよ 291っ!たったの1レスのSSで
何人もの人間に絶大な賞賛を送られたアンタがっ!」
「さ、317ちゃ・・・っ」
蒼白な面で目を見開く291に、圧し掛からんばかりの勢いと熱気を孕ませて 317がにじりよる。
二人の距離は10cmと離れておらず。双眼を激情の炎に燃えあがらせ仁王立つ
317の鬼気迫る様に、291の肌は、チリチリと焼け付かんばかりの戦慄を覚える。
「私がっ、今まで何度も何度も推敲を重ね、書き上げたSS達、けどその評価は、幾ばく
もない、明日を生きられるかどうかぐらいしかない、ほんの僅かなモノだった!
でも、貴女はたったの1レスで、多くの人間の心を掴んでいった・・・何故っ!?」
「そ、それは・・・、たまたま掲示板の雰囲気がそんな空気で・・・」
「そんな貴女を、私はとてもに羨ましく、恨めしく思ったわ・・・。そして何よりも・・・」
317はつかつかと291に歩みよると、汗ばんだ服越しに219のつつましい、だが可憐に膨らんだ
双丘の一つを乱暴に鷲掴み、その先端を捻りあげる。
「くひいいいいぃっ!?」
「そして、何よりも一番やるせないのは・・・」
291の耳たぶに、熱い吐息と共にしゃぶりつき、その胸を荒々しく揉みしだきながら
「私が心奪われ! 愛してしまった人間が! どうして同じ女なのかという事よ!」
そう叫んだ317は、己の欲情のおもむくままに291のスカートを捲くりあげ
ぐちょぐちょに濡れそぼった割れ目の合間に、荒々しく指を突っ込んだ。
「ふぐううゔうウうぅうんっ!?」
- 329 :貴女の人気に嫉妬:2008/05/17(土) 01:10:12 ID:3hU4/g3q
- 「同じ女の子よ? 好きだって言える訳がないじゃない・・・」
思い詰めた表情で317は呟く。妄執と強迫観念に囚われたその表情は
青白く変色した肌と相まって、幽鬼のそれを思わせる。
「きっと気持ち悪がられてっ、遠ざかっていって・・・っ、たった独りになって私はっ
それでもこの想いに悶々として生きていかなければならなくなるに決まっている・・・っ!」
「ふ、ふあァ・・・317ちゃ・・・や、め・・・んぐっ!」
水音を立てながら掻き回される自分の半身の感触を、291は近くの様に、遠くの様に感じていた。
淫毒によってもたらされるこの多幸・浮遊感は、まるで酩酊しているかのような感覚を覚える。
「そして、その一方で貴女は、掲示板で知り合った、ちょっとオタクだけど、心優しくて
平凡な男と結婚して、子供を生んで、幸せな家庭を作って、幸せに老いていくの・・・。
それも私の知らないところで・・・・・・そんなの絶対に許せないっ!耐えられない!」
徐々に頭の中が白く霞んでいく中。それでも大切な 『 友 達 』 を説得しようと
言葉を紡ごうとする291の唇をしかし、317の唇が貪りつくように重なり吸い、強引に塞いでしまう。
「むぐぅっ!んぐっ・・・うぅぅうぅ〜・・・っ!」
「はぁっ、はぁっ・・・そんな事を次の日も、その次の日も。ベッドの上で一晩中。考えて考えて考えて考えて・・・・・・」
うわ言とも、独り言ともつかぬ口調で喋り続ける317。しかし、その指は獰猛な肉食魚の群れのように
291の肉体を貪ることを止めず、休む間もなく求め、責め続ける。
「考えて考えて・・・そして、疲れちゃった・・・。SSを書くこと、同性への愛で悩むこと、その全てに・・・」
- 330 :391:2008/05/17(土) 01:14:41 ID:3hU4/g3q
- ここまで一息に書いてみたが、結末をどうするか考え中。
とりあえず一度寝て、出直すことにするわ。
- 331 :名無しさん@ピンキー:2008/05/17(土) 01:35:04 ID:VpSBAjfP
- 鬼才現る!!
GJ!!!
- 332 :名無しさん@ピンキー:2008/05/17(土) 01:45:23 ID:n2p9cWA5
- GJ!
とりあえずこう言っておこう。
「317の人気に嫉妬」
- 333 :名無しさん@ピンキー:2008/05/17(土) 01:59:48 ID:lwiOPKCM
- あぁ…これで>>332も……
- 341 :291:2008/05/17(土) 07:23:48 ID:n7h4LO8L
- まさか、自分がSSになるとは……覗いてみてよかった、GJ!
>>322
うれしいけど止めてくれ。別にうまくもなんともない
- 447 :330:2008/05/21(水) 21:28:53 ID:GM/mPMjg
- 随分と遅くなった。
もはや忘れている住人の方がほとんどだろうが
>>329からの続きを投下する。
- 448 :貴女の人気に嫉妬:2008/05/21(水) 21:31:37 ID:GM/mPMjg
- 317の尻尾の先端が、めりめりと内側から音を立てて捲れ上がっていき、
中から湯気を立てながら、男性器のグロテスクで、醜悪なパロディが現れる。
「ひ・・・っ!」
血管を浮き立たせながら、ビクビクと打ち震えるソレに、297が恐怖の声を漏らす。
317の意のままに動くソレは、291の目の前で軽くおじぎをして見せたかと思うと
鎌首をもたげる蛇のように、尾は297の下腹部にするすると近づき、布地越しに割れ目をこすりつける。
「・・・傷口から少し入っただけでそんなになってしまうのに、中に思いっきり注がれたら、どうなると思う?」
297の耳元でそう囁く317。これからちょっとした悪戯をするよ?といった、軽い調子の言葉。
だが、尾の魔薬の効果を身をもって味わった297にとって、その言葉は、死刑宣告にも等しい。
「い、いやぁっ。いやぁぁっ、やめてぇぇっ!」
子供のように泣きじゃくりながら、297は嫌々と首を振るが、本当はわかっていた。
哀願も懇願も一切聞き入れられることがないのは、分かりきっていたことだった。
そして・・・・・・
ずぶっ ずぶずぶぬぶっ・・・・ビゅるルるる゙るる゙っ!
「ひっ あ、あああア、あああ゙あアーっ!?」
- 449 :貴女の人気に嫉妬:2008/05/21(水) 21:34:09 ID:GM/mPMjg
- たった数度の往復で、尾は絶頂に達し、収縮した先端から、劇薬にも等しい淫液が297の中にぶちまけられる。
焼き串を突っ込まれたかのような凶悪な絶頂とともに、297の胎内が激しく収縮する。
「うあああっ 297の狭っ・・・また出・・・んぐうううっ!w(びゅくる゙るるっ!)」
「駄目え゙ええっ、やめてえエえっ、やめて317ちゃ・・・んひぃあああアああ゙ァあっ!?」
欲望の赴くままに腰を動かし、297の中に己の分身を何度も突き入れる317。
それはまるで、残忍な飢えた肉食獣が、極上に美味な獲物を生きながらに引き裂き
血の一滴も残さずに啜り喰らうにも似た、淫糜にして凄惨な光景だった。
夕暮れから、夜が深まりいくまでの時が流れた。
317によって、有らん限りの悲鳴と嬌声を奏でさせられた297の姿は悲惨だった。
前後の花を散らされた上に、本の上でしか297の知りえなかった事、そしてソレ以上の事さえ何度も強要された。
317の言葉の一言一言が、297の精神を毒し、その心はヤスリに掛けられるように丁寧に、徹底的に削られていった。
もはやヒューヒューと口笛のような呼吸音を漏らし横たわる、壊れかけの肉人形。それが今の297の姿だった。
「・・・そろそろ頃合ね」
297の肉体を隅から隅まで味わいつくしていた317の唇が、いよいよメインディッシュだと呟く。
その周囲をいつしか、独りでに蠢く血を思わせるような有機的で、禍々しい文様の群れが、床と空間のいたるところを取り巻き、覆い尽くしている。
「この紋呪は、相手の心が萎え衰えきっていなければ効果を及ぼさない・・・本当は、貴女の心をここまで追い詰めたくはなかった・・・」
幾ばくかの悔恨を表情に込め、横たわる297を見やる317。
人間の身体に、遺伝子レベルでの呪印を刻み込み、その肉体を魔物へと再構成する儀式装置。
それが、この有機的に蠢き、暗黒色の輝きを放つ魔法陣の正体だ。
魔方陣の一部の文様が、邪悪な百足の蟲のように297の身体に這い上がり、291の身体に絡み付く。
変貌は劇的に訪れた。
- 450 :名無しさん@ピンキー:2008/05/21(水) 21:37:40 ID:GM/mPMjg
- めきっ、めりめりっ、ぱきっ
「う・・・あっ、ぁぁぁ・・・っ?」
側頭部で、黒い硬質の突起物が、297の皮膚の下から隆起し始める。
肩甲骨の、側頭部の皮膚が腫れ上がるかのように膨らんだかと思うと、そこから317と同様の・・・
だが、生まれたばかりの雛を思わせるような、控え目の翼と尾が、皮膚を突き破り生えてくる。
蛹の皮を突き破る成虫の動画を、早送りで見ているかのような光景だった。
ただし、もしソレが完全に生まれ落ちたならば、毒々しくも美しい羽を持つ、極彩色の毒蛾となることだろう。
「さあ、一緒に堕ちましょう297?。心の殻と、人間の殻を壊して、貴女は生まれ変わるの・・・それはきっと、最高の気分よ?」
呪いによって身体の構造を書き換えられていく297を嬉しそうに抱きしめ、317は生まれ変わろうとする297を祝福する。
まるで母親が子供にするように優しく愛撫し、向こう側へと誘惑する317の暖かい手。瞳。唇。
その誘いに、もはや瞳のハイライトの消えかかった297は・・・
ニア 【誘惑に屈する】
【懸命に抗う】
- 452 :貴女の人気に嫉妬:2008/05/21(水) 21:43:28 ID:GM/mPMjg
- 【誘惑に屈する】
ニア 【懸命に抗う】 ぴっ
「だ・・・駄目・・・っ 駄目ええええええええええっ!」
イ ャ ボ オ オ オ オ ン ! !
魔への書き換えが完了されようとする寸前。ギリギリの瀬戸際で、僅かな正気を掻き集めた297は
自分の中に残る、有らん限りの力を振り絞り、317を呪いごと突き飛ばした。
「!? アッー!」
その衝撃はすさまじく、呪いを構成する紋はバラバラになって砕け散り、油断して無防備な317の身体を
壁ごと吹き飛ばし、木材の柱と、アバラの骨を何本もへし折らせた末にようやく止まる。
「か、はっ・・・! ・・・291っ、まだこれだけの力を・・・っ!?」
最後の最後に及んで、自分を拒まれた事と、291の未知数の力に驚愕を隠し切れない317。
あちこちを激しく打撲した身体をなんとか抑えながらも、ふらふらと立ち上がるが、認めざるをえなかった。
たったの数瞬で、己の身体が満身創痍にまで追い込まれたということを。
「・・・くっ! 297! 絶対に・・・絶対に手に入れる!その肉体も、その心も全部私のっ!私のものおおおぉおおっ!」
あらん限りの情念と妄執を込めて317はそう叫び、漆黒の羽を広げて闇の向こうへと飛び去った。
「・・・317・・・ちゃん・・・」
疲労と倦怠に心も体も浸かりかけながら、力なく317の名前を呼ぶ297。
(ああ・・・まぶたを開けているのも・・・瞳の焦点を合わせるのも、今こうして考えていることも・・・皆億劫だなぁ・・・)
そして、海底の奥底に沈みいく難破船のように、297の意識は、闇の中へと沈み込んでいった・・・。
- 453 :貴女の人気に嫉妬:2008/05/21(水) 21:45:29 ID:GM/mPMjg
- それから・・・唐突に3ヶ月の時が流れた・・・。
『317?ああ、あのツマんねーSSを書く職人だっけ?』
『知らネ(゚A゚)。相手にされないんで別の掲示板にでもいったんだろ(pgr』
あれから291は、317の姿を追い求めて、幾度となくググり、詳細キボンヌし、あらゆる掲示板を探し回ったが
317の行方も、彼女のものと思しきSSも、見つかることは決して無かった。
『それよりもお前さん風呂上りだって?写真とメルアドうpキボンn』
「氏ねよ下半身直結厨(カタカタ)、と・・・・・・はぁっ」
確認ついでの書き込みで、やはり無駄だということを「確認」する。そんな繰り返しのネットサーフィンの日々。
PCを消し、凝り固まった肩と目を揉み解していた297は、ふと姿見の前に向き直る。
「・・・・・・」
そうして、鏡に映った自分の裸体を、297はなんとも言えぬ表情で見やる。
そこには、風呂上りで火照った自分の姿があり
そして、その四肢と胴には、血行が促進されたことによって浮き上がった。禍々しい蟲の群れの如き文様があった・・・。
呪いは、完全に無効化されたわけではなかった。一度その身に食い込んだ変貌の呪い。
それは、297の身体に刺青のように食い込み、ゆっくりと・・・だが確実に侵食を続けている。
気の緩んだ瞬間、眠りにつき、意識の薄れゆく最中にそいつらはざわめき、297の意識に囁くのだ。
求めろ 求めろ 求めろ ただひたすらに・・・と
抗い続けるのは容易な事ではない。
気がつけば、己の内股を、透明な雫の筋が伝い落ち、呼吸が荒くなっている。
真夜中のベッドの上で、求める人の名前を呼びながら、ひたすらに自慰をしている自分がいる。
この囁きに自分が屈する日がくるのは、そう遠いことではないだろう・・・・・・。
- 454 :貴女の人気に嫉妬:2008/05/21(水) 21:50:11 ID:GM/mPMjg
- 「・・・317ちゃん・・・」
ぽつりと呟く297。鏡の向こうの自分の瞳は、月の光を反射して煌めく湖のように揺らめいていた。
「・・・・・・?」
ふと、背後から風の吹く気配を297は感じた。
鏡越しに背後を見やると、吹き込まれた風に煽られて、カーテンがふんわりと揺らめいている。
何 故 ?
297は、ただそう思う。
窓は閉めきっていたはずなのだ。
「・・・・・・」
高鳴る胸に手を当て、おそるおそる297は、ゆっくりと背後に視線をみやる。
「・・・・・・あっ・・・」
その姿を目に認めた297が浮かべたその表情は、僅かな怯えと、ほんの少しの諦観。
・・・そして・・・紛れもない歓喜であった・・・・・・。
THE END
- 455 :名無しさん@ピンキー:2008/05/21(水) 22:10:52 ID:L7z3HiMo
- イ ャ ボ オ オ オ オ ン ! !
で腹筋崩壊した
- 456 :名無しさん@ピンキー:2008/05/21(水) 22:47:01 ID:0pQgMXXb
- >>455
俺なんて
アッー!
で腹筋崩壊だぜ
>>454
GJ
- 457 :名無しさん@ピンキー:2008/05/22(木) 00:43:15 ID:o1FeuPvr
- >【誘惑に屈する】
>
>ニア【懸命に抗う】 ッぴっ
ちょ 正解ルートっぽいのを選んでるのに結局BAD END
- 459 :名無しさん@ピンキー:2008/05/22(木) 06:37:21 ID:8pLw3GQN
- >>457
必要なフラグが立ってなかったんだろ
あるいは親密度が足りなかったか
最後どうなったかよくわからんのだが
317が夜這いかけにきたってことでいいのか?
- 460 :名無しさん@ピンキー:2008/05/22(木) 10:36:48 ID:S+UwtC3A
- >>457
BADENDじゃないこれは立派なTRUEENDだ
もちろん上の選択肢を選べばHAPPYEND
- 461 :名無しさん@ピンキー:2008/05/22(木) 16:09:01 ID:JftoyEBq
- きっと上を選んだら二次元エンドだったんだと思う。
- 462 :名無しさん@ピンキー:2008/05/22(木) 20:57:52 ID:Y4qEjAPs
- きっと「二人の思い出の場所イベント」を発生させてなかったに違いない。
戦いから数日後に主人公がそこにいくと、悪堕ちヒロインがいて
「やっぱりここに来てくれると思ってた」とか言いながら最終決戦の流れになる。