1989年に旧チェコスロバキアの共産政権を無血で崩壊させた「ビロード革命」の立役者で、劇作家出身の文人大統領としても知られたチェコのバツラフ・ハベル氏が18日、チェコ北部の別宅で死去した。75歳だった。地元メディアなどが伝えた。
ハベル氏は共産主義時代の度重なる投獄生活が原因とみられる健康の悪化に悩まされ、96年に肺がんで右肺の3分の1を切除。その後も慢性気管支炎などを患い、03年2月の引退後も入退院を繰り返していた。
89年の民主化で知識人や労働者、学生らと「市民フォーラム」を結成。流血なしに共産政権を崩壊させた「ビロード革命」で指導的役割を果たした。同年12月に大統領に選出。93年のスロバキアとの分離後、チェコ初代大統領に選ばれた。
日本が離脱する京都議定書はとりあえず生き延びる、それと併せて期限を切って新しい温室効果ガス抑制の枠組みをつくる――要は難題を先送りしたということだ。