【モスクワ田中洋之】カザフスタン西部ジャナオゼン市で独立記念日の16日に起きた暴動を受け、ナザルバエフ大統領は17日、同市に夜間外出禁止を含む20日間の非常事態令を出した。インタファクス通信などが伝えた。20年前のソ連崩壊後、大統領の強権統治が続くカザフスタンで暴動が発生するのは異例で、政権は不安定化の動きに神経をとがらせている。
16日のデモは約800人が参加し、検察当局によると、治安部隊との衝突で11人が死亡、警官6人を含む86人が負傷した。治安部隊は鎮圧時に発砲した模様で、死者は70人にのぼるとの情報もある。
政権側は来月15日の下院選を前に混乱が拡大しないよう実力行使したとみられ、デモに参加した70人を逮捕した。検察当局は若者グループが労働者のデモを扇動し暴動につながったとみている。西部アクタウでも16日に暴動の兆候があったが事前に防止したという。
カザフスタンは石油など豊富な資源の輸出で潤うが、国民の間では格差拡大などへの不満が広がっており、大統領の長期支配に対する批判に発展する可能性も指摘されている。
ジャナオゼンはカスピ海の東約150キロに位置し、石油生産施設が置かれている。人口約9万人。今年5月から国営石油ガス企業などの労働者が賃上げを求める抗議行動を継続していた。
毎日新聞 2011年12月17日 22時16分(最終更新 12月18日 1時07分)
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