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福島県知事 「収束」に不快感

12月18日 17時57分 twitterでつぶやく(クリックするとNHKサイトを離れます)

福島県の佐藤知事は、細野原発事故担当大臣ら3人の関係閣僚と会談し、野田総理大臣が事故の収束を宣言したことに不快感を示したうえで、避難区域の見直しにあたっては地元の意見を尊重し、すべての福島県民を損害賠償の対象とすることを求めました。

政府は、16日、福島第一原発の事故について、「原子炉が『冷温停止状態』になり、事故そのものは収束した」として、工程表の「ステップ2」の完了を宣言しました。これを受けて、細野原発事故担当大臣ら3人の関係閣僚が、18日、福島県庁を訪れ、佐藤知事と会談しました。この中で佐藤知事は、「本来なら、野田総理大臣が来て話をしてしかるべきだ。『事故収束』ということばを発すること自体、県民は『実態を本当に知っているのか』という気持ちでいる」と述べ、野田総理大臣が事故の収束を宣言したことに不快感を示しました。これに対して細野大臣は、「ステップ2の達成は、『これ以上、地元の皆さんに改めて避難していただく状況にはならない』ということであり、このことをもって、事故そのものは収束したと判断している。ただし、これからが一番大切な難しい局面を迎えるので、除染や健康管理の問題に責任を持って対応する」と述べ、理解を求めました。さらに、佐藤知事は、住民の帰宅に向けた避難区域の見直しについて、「地域の市町村長や住民の話を真摯(しんし)に聞いていただくことが大事だ」と述べるとともに、すべての福島県民を損害賠償の対象とすることを求めました。これに対して枝野経済産業大臣が、「避難指示区域の見直しは、地元に寄り添いながら取り組んでいく決意であり、県や市町村の考えを受け止めて具体的に進めたい」と述べたほか、平野復興担当大臣は、「1日も早い帰還を実現するための時期が来たので、復興対策本部が、帰還に向けた支援の中心的な役割を担いたい」と述べました。このあと政府側は、福島県と11の市町村に対し、今の警戒区域と計画的避難区域について、▽年間の被ばく線量が20ミリシーベルト未満の地域を、住民の早期帰宅を想定する「避難指示解除準備区域」に、▽20ミリシーベルト以上の地域を、引き続き避難を求める「居住制限区域」に、▽現時点で50ミリシーベルトを超える地域を、原則、長期間居住を制限する「帰宅困難区域」に指定する、避難区域の新たな区分けの方針を説明しました。こうした方針について、政府は、被災地の意見を聞いて調整を行ったうえで、今月末に正式に決定したい考えです。