政治

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女性宮家検討へ:未婚皇族「結婚適齢期」 政権に危機感

 ◇6人が成人

 野田政権の動きに関し、宮内庁は公式には冷静な発言に終始している。藤村官房長官の発言翌日の15日、羽毛田信吾同庁長官は「問題をどう受け止め、検討していくのかは内閣の判断。宮内庁としては情報提供や説明などできることをやっていく」と従来通りの説明を繰り返した。

 憲法は「天皇は国政に権能を有しない」と定めている。皇室典範は「法律」に当たり、改正論議を主導するのは「政治活動」との批判を受ける恐れがあるため、皇室のお世話をする宮内庁としても控えめな立場を守っている形だ。ただ、羽毛田長官自身、以前から度々、典範の問題点を語っており、長年の懸案が動き出したことに庁内では歓迎の声も。ある幹部は「簡単にはまとまらないのかもしれないが動かなければ始まらない」と評価した。

 宮内庁側が危機感を強めていた背景には、現在の皇室の構成がある。天皇陛下を除いて7人いる男性皇族のうち4人は60歳以上。未婚の女性皇族は8人で、そのうち6人は成人になっている。

 ◇当事者の意見は

 典範は、女性皇族が結婚後に皇籍を離れることを規定しており、悠仁さまが成人になるころには、皇族の数が極端に少なくなる恐れがある。結婚適齢期を迎える女性皇族が増え、典範改正の時期によっては「姉が一般人なのに、妹は結婚しても皇族」という姉妹間の差の恐れも出てきたのが現実だった。

 若い皇族の未来に関わるだけに、当事者の意見をどうくみ取るかも難問だ。天皇陛下は「皇位継承の制度に関わることについては、国会の論議に委ねるべきであると思います」(09年11月)と語り、皇太子さまもこの問題について「発言を控えるべきであると思っております」(同年2月)と述べるにとどめている。一方、羽毛田長官は08年に陛下が体調を崩した際、私見として、心労の背景に「皇統の問題」を挙げた。

 そんな中、秋篠宮さまは先月、国会に委ねるとの基本姿勢は示しつつ、皇室の将来について「私や皇太子殿下の意見を聞いてもらうことがあっても良い」と述べた。【真鍋光之、合田月美、川崎桂吾】

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毎日新聞 2011年12月18日 14時03分(最終更新 12月18日 14時21分)

 

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