除染の放射線量 中間目標など示す
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除染の放射線量 中間目標など示す

12月16日 2時30分 twitterでつぶやく(クリックするとNHKサイトを離れます)

東京電力福島第一原子力発電所の事故で比較的低い線量の放射線被ばくについて検討してきた政府の作業チームは、避難の目安とされた年間20ミリシーベルト程度では健康リスクの明らかな増加は証明できないものの、除染の中間目標として2年後までに年間10ミリシーベルト以下にすべきだとする報告書をまとめました。

放射線医学の専門家などからなる政府の作業チームは、比較的低い放射線量が健康に及ぼす影響について議論を重ね、15日、提言を報告書にまとめました。この中で、避難の目安とされた年間20ミリシーベルト程度では健康リスクの明らかな増加は証明できないとした上で、20ミリを超えない地域でも念のため、除染や食品の安全管理などを継続して行うべきだとしています。また、避難区域で行う除染の中間目標として2年後までに年間10ミリシーベルト、次の段階で5ミリシーベルト以下とし長期的には1ミリシーベルトを目指すべきだとしています。さらに子どもの生活環境の改善を優先すべきだとして、避難区域にある学校を再開する際には、空気中の放射線量を1時間当たり1マイクロシーベルト以下とするよう求めたほか、内部被ばくの検査の継続も検討すべきだとしています。報告書の作成には細野原発事故担当大臣も参加し、盛り込まれた提言は今後の対策に反映されることになっています。

細野原発事故担当大臣は、15日夜、政府の作業チームから報告書を受け取ったあと、記者団に対し、「恐れるべきでないものはどこなのかという線をしっかりと伝える出発点になる。報告書の内容を、福島県でどう具体的に政策として生かしていくか、これからしっかり協議したい」と述べました。