<「えだる」「おわコン」「エアーイン」>
おわコンにエアーイン、えだる……。サッパリ意味が分からないが、どれも中高生が日常生活で使っている言葉だという。
「明鏡国語辞典」を発行する大修館書店が、恒例の「『もっと明鏡』大賞 みんなで作ろう国語辞典!」の受賞作を発表。全国の中高生を対象に、国語辞典に載せたい言葉や例文を募集したもので、最優秀作品に10語が選ばれた。
【おわコン】は「終わったコンテンツ」の意味で、ブームを過ぎて時代遅れの人やモノを指す。【エアーイン】はその場の雰囲気に溶け込むこと。かつてはKY(空気が読めない)という言葉がはやったものだが、空気を読んで溶け込む状況を表す言葉が登場した。使用例は「あの女の子たちのグループにはエアーインしにくい」。空気が読める人のことは「エアリーダー」と呼ぶ。
震災関連の新語・造語も多く登場。無理せず適切に節電することは【適電】、地震が来ていないのに揺れているように感じてしまうことは【錯覚揺れ】と表現している。錯覚揺れの対義語は「まじ揺れ」と、まったくヒネリはない。
震災当時の枝野官房長官がテレビに出ずっぱりだったことをもじった【えだる(枝る)】も選ばれた。中高生には枝野が頑張っているように見えたようで、「不眠不休で働く」という意味のほか、「上司に恵まれず、必要以上の努力を強いられる」ことの意味でも使われているという。スッカラ菅のダメっぷりは、子どもでも分かったか。
ほかには、女子中高生がセーターやカーディガンの袖を指先が少し見える程度まで伸ばす状態を表す【萌袖(もえそで)】といった中高生らしい言葉も選ばれた。指先がちょっと見えているのが、「萌えー」なのだとか。逆に、服の袖やズボンの丈が短いのは「おやじたけ」というそうだ。
余震や電力懸念が続く間は、「適電」や「錯覚揺れ」あたりは日常的に使われるかもしれないが、ほかの新語は、来年になれば「おわコン」だろう。
【最優秀作品賞10作品】
◇エアーイン/その場の雰囲気に入ること
◇えだる/不眠不休で働く
◇おわコン/終わったコンテンツ
◇錯覚揺れ/地震じゃないのに揺れを感じる
◇捨て寝/一夜漬けを諦めて寝る
◇適電/適度に節電すること
◇電索/電子辞書で意味を調べること
◇なでしカン/なでしこJAPANの熱狂的ファン
◇仏女/仏像が大好きな女性
◇萌袖/指先しか見えない長めの袖丈
(日刊ゲンダイ2011年12月15日掲載)