学長の逮捕(連載第10回)
朝日新聞朝刊に連載中の「プロメテウスの罠」の本日(2011年12月18日)掲載分を以下に引用します。
〈プロメテウスの罠〉
学長の逮捕10
検査 提案したら
11月14日、南相馬市の市立総合病院非常勤医師、坪倉正治(29)に、副市長の村田崇(たかし)(37)から電子メールが届いた。激しい非難の文言に、坪倉はびっくりした。
「特別職に対して原因を調べろという趣旨のメールになっていますから、私に対してはともかく、市長に対しては失礼極まりない……」
坪倉は東大医科学研究所の医師だが、原発事故後、希望して南相馬にやってきた。福島原発から23キロの地点で、多くの医師が避難し、医師不足に陥っていた。そこで週の半分を勤務する。
坪倉が力を入れているのは市民の内部被曝(ひばく)の検査だ。
検査は7月に始まった。ホールボディーカウンターと呼ばれる装置で体内の放射能量を測定する。東大理学部教授で物理専攻長の早野龍五(りゅうご)(59)に相談しながら進めてきた。
早野は学校給食の放射能検査を各地の自治体に提唱している。南相馬市長にも提案した。
「学校給食を1週間分まとめて検査する、という提案です。費用はこちらで負担するとも伝えました」
しかし返事が来ない。早野から話を聞いた坪倉は、市長と副市長あてにメールを送った。
「今後は食べ物の検査態勢の強化が重要と考えております。ご検討いただけますと幸いです」
これに対する返信が、冒頭の激しいメールだった。メールは続く。
「市職員として最低限守るべきことは何なのかを再度見つめなおしていただき、日ごろの業務にあたっていただければと思います」
「ご自身の責任や立場を踏まえられた行動をお願いしたい」――
坪倉の要請にはいっさい触れず、「職員の立場で特別職に指図するとは何事か」という内容である。
副市長の村田は、総務省から4月に出向してきたキャリア官僚だ。この件について取材を申し込んだ。秘書課から「この取材には応じないことになりました」と電話が来た。
直接、南相馬市の秘書課を訪れ、再び取材を申し入れた。秘書課長補佐が対応したが、あくまで市役所内部の行き違いの話でしかないと、話が進まない。
重ねて面会を求めると、秘書課長が出てきた。
「市立病院をいかに守り、市民のために機能させていくか検討している最中なので、いまは回答できません。それより、市役所内の話がどうして外部にもれたのか」(松浦新)
南相馬市役所は何を考えているのか?
当然、市民のことを考えないといけません。公僕ですからね。
何か勘違いされていませんか? 村田南相馬副市長、おっしゃりたいことがおありであればどうぞご発言ください!
なんか、シリーズ3「観測中止令」みたいになってきたな・・・
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