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事件
【正論】京都大学大学院教授・藤井聡 被災地を「壊死」させないために
日本は今、世界大恐慌再来の危機や超巨大地震の連発などの国家的危機に直面している。だから、今求められているのは、「強くしなやかな強靱(きょうじん)な国」をつくりあげる、あらゆる取り組みである。
≪8カ月空費したふるさと再生≫
とりわけ急務となっているのは「震災復興」である。しかし、恐るべきことに、最高責任者たる我(わ)が国政府は、被災地を見捨てるかのように振る舞い続けている。
そもそも、本格的復興予算といわれた第3次補正が決定されたのは、8カ月以上も時間が経過した11月だった。この8カ月間、被災地にはカネさえあればできたことが山ほどあった。それなのに、なすべきことの大半が、政府の無為によって差し止められてしまい、その結果、数多くの「ふるさと」がさながら壊死(えし)するかのように、二度と回復できない状況にたたき落とされてしまったのである。
さらにいえば、第3次補正も十分なものであるという保証などどこにもない。例えば、わずか2兆円の補正予算が決定された7月段階で野党側が主張していた補正予算は、3次補正の金額をはるかに上回る17兆円だった。それだけの予算が7月時点で決定されていたなら救えた筈(はず)の「ふるさと」が数多くあったことは間違いない。
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