- [PR]
国際
「最弱」フィリピン海軍、対中警備を強化 南シナ海に新巡視船を配備
フィリピンの新巡視船「グレゴリオ・デル・ピラール」の就役式に臨んだベニグノ・アキノ大統領(中央の3人の真ん中)。対中警戒心を隠そうともせず、米軍の協力を仰いだ軍備の近代化を訴えた=14日、マニラ南港(AP)
フィリピン海軍は12月14日、米国から購入した艦船を改良した新しい巡視船の就役式をマニラで行った。式典でベニグノ・アキノ大統領(51)は「ただちにわが国の主権が及ぶ西フィリピン海(南シナ海)に配備する」と語り、中国などと領有権を争う南沙(英語名スプラトリー)諸島がある南シナ海の警備強化が目的であることを明言した。陸海空三軍とも東南アジア最弱とされる装備しか持たないフィリピンは、領有権問題については多国間協議による話し合い解決を一貫して提唱しているが、軍拡に走る中国が聞く耳を持たない状況下で中国に対する脅威感を強め、軍の近代化を急ぐとともに薄れた米国との同盟関係の再構築に乗り出している。
「主権、行動で守る」
新たに就役したフィリピン海軍の巡視船は、米沿岸警備隊のハミルトン級長距離巡視船だった中古艦を改良したもので、フィリピン独立運動の国民的英雄の将軍、グレゴリオ・デル・ピラール(1875~99年)の名が付けられた。AFP通信によると、アキノ大統領は「パトロールを強化し、論議の余地のないフィリピンの主権を行動で守らなければならない」と強調。黄海の違法操業での中国漁船と中国政府の対応の横暴さが、国際的に注目されている時期とも重なり、大統領の言葉には力がこもった。
このニュースの写真
関連ニュース
関連情報
- [PR]
- [PR]