日本を訪れている韓国のイ・ミョンバク大統領は両国の間で改めて懸案になっているいわゆる従軍慰安婦の問題について、「解決することが両国の未来にとっても大きな助けになる」と述べ、日本政府に前向きな対応を促しました。
韓国のイ・ミョンバク大統領は17日午後、日本に到着したあと大阪市内でおよそ300人の在日韓国人と懇談しました。この中で、「世界的な情勢を見れば、日韓はほかのどの国よりも良好な関係を維持しなければならない」と述べ、日韓関係の重要性を強調しました。そのうえで、いわゆる従軍慰安婦の問題について「解決できなければ、日本にとってこれからもずっと負担になるはずだ。慰安婦たちが生きている間に、この問題を解決することが両国の未来にとっても大きな助けとなる」と述べ、日本政府に前向きな対応を促しました。この問題を巡ってはことし8月、韓国の憲法裁判所が「賠償請求権について政府が交渉しないのは憲法に違反する」という判断を示したことを受けて、韓国政府は政府間協議を求めていますが、日本側は「請求権の問題は解決済み」という立場で応じていません。イ・ミョンバク大統領は18日、京都で野田総理大臣と会談する予定で、この問題について何らかの形で言及し、日本側の対応を改めて促すものとみられます。