年末年始など、海外に出掛ける方も多いことでしょう。しかし、世界の国々には、日本人が想像もつかないような習慣や常識が存在します。今回は、特にNG度が高いものをご紹介しましょう。
■日本と逆のこともある食事のマナー
有名なのは、「めんをすすってはいけない」ですが、そのほかにも多くの違いが。例えば、日本では「残さずキレイに食べる」ことが良しとされていますが、中国などではタブー。「十分なおもてなしをいただき、食べきれないほどでした」という意味で、残すのがマナーです。とはいえ、たくさん残しすぎるのも失礼。少しだけ残しましょう。
■宗教・人種・戦争の話題には触れないのが無難
例えば欧米(おうべい)の一流店では、キリスト教以外の宗教に配慮し、「メリークリスマス」というあいさつはせず、代わりに「よい休日を!」などと言うそうです。特に人種のるつぼであるアメリカのような国では、人種差別や民族間の問題などにも敏感。日本では冗談ですむようなことが大問題になる可能性もあります。また、フランスの上流階級出身者にフランス革命の話をする、ドイツ人にナチスの話をするなども避けましょう。
■時間感覚は現地の人に合わせて
日本国内でも、沖縄の「うちなータイム」と呼ばれるものがありますが、海外では一般的に、日本よりも時間感覚がおおらか。交通機関の遅れ、待ち合わせの遅刻などにいちいち目くじらを立てていては不思議がられますし、こちらの身も持ちません。旅行の予定は余裕をもって組み、現地の常識を確認していきましょう。
■頭をなでるのがNGな国がある
かわいい子供がいると、日本人ならつい頭をなでてしまいたくなるところですが、これは注意が必要です。タイやインドネシア、ネパール、インドなど、アジアの多くの地域でタブーとされています。頭は神聖な場所なので、他人が触れてはいけません。
■水は貴重品! 無駄にすると大ひんしゅく
「湯水のごとく使う」という言葉があるほど、日本は水資源が豊富な国。「節水」という言葉も広まっていますが、諸外国と比べれば、感覚がまったく異なります。アラブ諸国で「湯水のごとく使う」は、「大切に使う」ということを意味します。また、オーストラリアなども水不足が問題になっている地域が多い国。長々とシャワーを使ったりしていると、ひんしゅくを買ってしまうことも。
■アラビア半島の国々では女性も男性も注意を
敬虔(けいけん)なイスラム教徒の多い国々では、女性はほとんど人前に出ることすらありません。たとえ旅行者でも、女性は、ボディーラインが分かるような服、胸元や足がでる服装は厳禁。逮捕されてしまった欧米(おうべい)女性の例もあります。街ではそれほど厳しくない地域でも、寺院を見学するときなどに制限がかかることもあります。
また、男性が現地女性に気軽に声をかけてもダメ。ナンパなどの下心がなくとも、あいさつしただけでNGとなることが……。
■海外に比べれば、日本はスモーカー天国!?
世界的に喫煙スペースは縮小傾向。ビルまるごと禁煙のところも珍しくありません。欧米(おうべい)はもちろん、マナーに厳しいシンガポールや、タイなどでも禁煙が進んでいます。「ここはタバコが吸える場所なのかどうか」というよりも、「タバコが吸える場所はどこなのか」という意識でいたほうがいいでしょう。また、アジアなどでは女性が喫煙すること自体を嫌うこともあります。
■これもNG!?な意外なこと
鼻をすすることは、とても下品なこととみなされます。欧米(おうべい)では、すするよりも思い切り鼻をかんで。
また、日本では血液型占いが一般的で、だいたいの人は自分の血液型を知っていますが、そうでない国は多いもの。「あなたの血液型は?」という質問は、「非常にプライベートなことを聞かれた」と不快にさせてしまう恐れがあります。
ほかにも、特に途上国ではトイレットペーパーが水にとけないので備え付けのゴミ箱に捨てる……なども、日本人にはなじみのない習慣です。
今回ご紹介したのは、ごく一部にすぎません。その国によって、常識や習慣はさまざま。何より大事なのは、「その国について知りたいと思う気持ち」と、「現地のルールに従う姿勢」です。
しっかり下調べをして、旅行を楽しみたいですね。
(取材・文/島田彩子)
(著:COBS ONLINE編集部)