川崎、マリナーズとマイナー契約へ　２億円超減も…イチとやりたい

　【シアトル秋野未知】年俸２億円減でもイチローとやりたい！！　ソフトバンクから海外ＦＡ権を行使してメジャー移籍を目指す川崎宗則内野手（３０）が、マイナー契約でマリナーズに入団する可能性が高くなった。１５日付の地元紙シアトルタイムズ紙が報じたもので、米クリスマス休暇後にも正式発表の見込み。マイナー契約から、開幕メジャーに生き残れなければ今季の推定２億４０００万円から２億円以上のダウンは必至で、川崎はまさに裸一貫でメジャーの高い壁に挑む。

　川崎は８月に婚約を発表したフィアンセを伴って１４日に渡米。報道陣の前では「旅行に行ってきます。今年はシーズン長かったのでゆっくりしたい」とけむに巻いたが、その行き先は当然シアトルだった。すでにマリナーズ入団に基本合意。現地でメディカルチェックや住居面などの環境面をチェックする目的で、１５日付の地元紙シアトルタイムズはマリナーズが川崎とマイナー契約を結ぶ見通しと報じた。

　川崎が合意した内容は春季キャンプ付きのマイナー契約。オープン戦から結果を残し続ければ、当然開幕メジャーの可能性はグンと広がる。ただ年俸に関しては、大幅減は避けられない。今季、川崎の年俸は推定２億４０００万円。マイナー契約の場合、仮に来季開幕メジャーを勝ち取れなかった場合は、２億円以上のダウンは避けられない状況だ。

　それでも、川崎にとって大幅年俸ダウンも想定内といっていい。１日のメジャー挑戦記者会見では「イチロー選手と同じチームでのプレーだけを希望しています。マイナー契約？　それでもかまわない」とマリナーズを“逆指名”し、契約内容も問わないと宣言。尊敬するイチローの一挙手一投足を追いながら、裸一貫でメジャーの荒波に飛び込むことになる。

　マリナーズは二塁にアクリー、遊撃にライアンとレギュラーが確定しており、すでにズレンシクＧＭは「控えの内野手を獲得する可能性はある」と明言。二塁、遊撃、三塁を守れるユーティリティープレーヤーとして期待される川崎が、果たしてメジャーに生き残れるのかどうか−。いずれにせよ、川崎にはキャンプから厳しい戦いが待ち受けることになりそうだ。