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'11/12/17

呉市交通局の3月廃止決まる


 呉市交通局を3月末で廃止、バス事業を広島電鉄(広島市中区)に移譲するための各種議案が16日、市議会本会議で可決された。市政改革への大きな取り組みは一段落したが、市には早急に解決すべき課題が残る。50人余りの交通局職員の再就職はまだ決まっていない。

 「長年の懸案に一区切りついたが、まだ問題は山積している」。小村和年市長は本会議終了後、厳しい表情で語った。市長が「一番大きな問題」とするのは再就職問題。16日現在、未決定者は正職員45人、嘱託職員12人の計57人である。

 うち7人が現在、バス事業の移譲先の広電を受験。他に9社17人分の求人があるが、全て決まっても約30人分足りない。交通局も「まだ求人先を開拓する必要がある」とする。

 市民は民間移譲により将来的に路線廃止もあるのでは、と懸念する。市は廃止となっても代替手段を探る考えだが、不安は根強い。

 70年に及ぶ歴史に幕を下ろす交通局。議案の可決は「一つの通過点」(小村市長)であり、関係者や市民の痛みを最小に抑える取り組みが求められる。




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