富士山に命を懸けた極道画家~山本集 男の死に際~
- 06/1/4(水)20:00~21:54
"富士山にはいつも俺を見透かされてします。いつになっても 追いつけないんや…" 死ぬまで富士山に喰らいつこうとする男の壮絶な生き様を描きます。
番組内容
男の名は、山本集(あつむ)。1940年生まれ。職業画家。前職は武闘派ヤクザ。山本はこれまで、富士山を題材として数百点に及ぶ絵を描いてきました。代表作「雄渾」は、関西空港正面玄関にかかっています。壮大な赤富士です。山本は言います、「日本一の富士山にオレみたいなコワッパがって思うけどね…」
富士山は古くは「万葉集」や「更級日記」にも描かれ、そして北斎や東山魁夷らたくさんの画家たちが描いてきました。しかしそれでもなお、「描き尽くされることのない山」。そういう意味で富士山は「不尽山」。このドキュメンタリーはこの「不尽山」を撮り尽くそうというものです。美しく大きいだけでなく、この山の荘厳さに対して、畏怖の念を抱く男の眼を通して…。
晩秋から冬、春から初夏…。季節ごとにその姿を変えてゆく富士。その自然に触れ、匂いを嗅ぎ、古来より人々が崇めた富士信仰に触れます。そして山本のアトリエ。シャッターを閉め、外部から隔離された空間に鬼気迫る空気が充満します。100号カンバス5、6枚を同時進行で描いていきます。
番組は、山本が描いてゆく作業を横軸に、彼の「生死を賭けた勝負の折り重ね」ともいえる彼の半生の物語が縦軸になります。小指がなく、額に弾痕がある山本が「不尽山」と対峙します。喰らいつくような壮絶な生きざまがあぶりださされる、ドキュメンタリーです。