米国議会は15日(現地時間)「イラン中央銀行と取り引きを行った場合、いかなる経済主体であれ、例外なく米国の金融機関と取り引きできないようにする」という内容の制裁法案を採択した。
この法律は原案に比べやや柔軟性はあるものの、イランからの原油輸入が全体の10%を占める韓国としては、大きな負担とならざるを得ない。韓国政府はすでに今月初めから経済関連部処(省庁)を中心に、イラン産原油の輸入を一部中断し、他国から石油を輸入する案の検討に取り掛かった。
■原案よりもやや緩和
米議会上院が今月1日に最初に採択したこの法律は、イラン中央銀行と取り引きのある、あらゆる外国の金融機関に対し、例外なく制裁を加えるという内容となっている。そのためオバマ政権は上記の法律に難色を示した。イランからの原油輸入依存度が高く、イラン中央銀行を通じて原油輸入代金を支払う韓国や日本など、アジアの同盟国が反発する可能性があり、国際原油市場にも大きな混乱をもたらしかねないからだ。
その後、上下院の間で調整が行われ、法案の基本的な趣旨は維持しながらも▲国の安全保障という次元で直ちに制裁には取り掛からない権限を政府に与える▲制裁が国際原油市場に及ぼす影響を判断する際には政府の意見を聞く、という修正が加えられ、米政府に「留保」あるいは「例外」条項を設けることができるようにした。米国務省のヌーランド報道官は「政府はイランへの圧力を最大限に強める一方で、同盟国の混乱は最低限に抑える方法を駆使し、イランに対し制裁を行っていきたい」と述べた。イラン中央銀行への制裁法案は、オバマ大統領が署名を行ってから6カ月後に発効する。