イラン産原油の輸入減は不可避

米議会、原案よりも緩い内容のイラン制裁法案採択

■韓国政府、「留保」または「例外」の適用を受けられるよう全力

 韓国政府は、来年6月までにこの法律をめぐり「留保」あるいは「例外」対象国に韓国が含まれるよう、外交力を総動員する方針を定めた。留保条項の中には、オバマ政権は米国の安全保障や各国の特殊性を考慮した上で、ある程度の裁量を認めている。例外条項は、特定国がイランからの原油輸入が一気に減少したと認められた場合に適用されるという。

 この内容に基づいて韓国政府は、米国の同盟国である韓国は原油を100%輸入に頼っているという現実に基づいて米国を説得する一方、イランからの原油輸入を少しでも減らすための努力を傾けるものとみられる。韓国政府の関係者は「これまでは韓国経済に及ぼす影響を最小限に抑えるため、米議会に対して法案の緩和を働き掛ける努力をしてきた」と述べ、今後はオバマ政権による法律の執行過程で「留保」あるいは「例外」を認めさせることに焦点を合わせるとの考えを示唆した。

 オバマ政権は法案の発効後、60日、120日単位で全ての国の動向を分析し、180日後に最終決定を下す見通しだ。

 韓国がイランから輸入した原油は、10月末の時点で昨年の年間輸入量を上回る7423万4000バレルだ。これは輸入原油全体の9.6%、金額にすると76億ドル(約5912億円)に相当する。政府と企業の関係者は「イラン産原油はほかの中東産原油に比べ1バレル当たり2ドル(約155円)から4ドル(約310円)ほど安い上、輸入量も多いため、6カ月で他の輸入先を探すのは難しい」と口をそろえる。

 一方で政府は16日に発表された追加の対イラン制裁を通じ、99のイラン関連団体、6人の個人を金融制裁の対象として追加指定した。韓国企業に対しては「イランの石油化学製品を購入した場合には、米国との取引で不利益を被る可能性がある」ことを伝え、取り引きの際に注意を促すことにした。

李河遠(イ・ハウォン)記者
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