■会場 | 記者会見室 |
■出席者 | 県 :知事、茂原副知事、企画部長、企画部副部長 記者:記者クラブ所属記者等 22人 |
■記録作成 | 広報課(報道係) |
■会見要旨 | |
◎質疑応答 | | |
○八ッ場ダムについて |
(記者) | 八ッ場ダムの関係なのですが、先般、(国土交通省)関東地方整備局が生活再建事業について、来年1月には資金がショートしてしまうという見通しを立てまして、関係都県にも、12月上旬までに(負担金の)支払について判断してほしい旨の表明がありました。現時点での知事の負担金支払についてのお考えをお聞きしたいのと、もう一点、先般、馬淵国土交通大臣の発言を受けて、1都5県知事と馬淵大臣との会合の場を持ちたいという表明がありましたけれども、その調整の状況についてお聞かせください。 |
(知事) | 一部報道にも出ましたが、26日を目標に調整しています。1都5県知事で連携して、その問題にしっかりと対処したいと思います。 負担金支払については、群馬県は2つ要件があります。ダムの建設地であること。それから、東毛地区ではかつてカスリーン台風で大災害を受けました。埼玉県や東京都と同じように利水・治水でもしっかりと対応しなければなりません。 群馬県としては生活再建は何が何でもやっていただかなければなりません。馬淵大臣も、前原前大臣も、「生活再建はしっかりやる」とおっしゃっていますが、下流の東京都、埼玉県の「ダムができないのに利水・治水の負担金を払う必要はない」というのも一理ある話です。国がしっかりとやると言った以上は、もっとしっかりとやるべきだと思っています。 |
(記者) | 八ッ場ダムの問題に関連して、26日を軸に会合を調整しているとのことですが、その会合の中で、負担金の扱いについてもおそらく話題に上がると思います。今まで、石原(東京都)知事や上田(埼玉県)知事とお会いになられている中で、負担金の扱いについての感触というのは、どのようにつかまれていますか。 |
(知事) | コメントは控えさせていただきます。 |
(記者) | 一部報道でも各都県知事の発言がありますけれども、なかなか実現に向けての困難性というか、楽観的にみたほうがいいのか、それとも…。 |
(知事) | 負担金を一日も早く払って、生活再建をやるということは、群馬県としては主張しなければならないと思っています。 |
(記者) | その辺りの歩調の合わせ方はいかがでしょうか。 |
(知事) | 下流都県についても、先日、石原知事をはじめ、各都県知事に八ッ場に来ていただいて、地元の方々と意見交換しました。地元の心情というのは、十分理解し、把握していただいていると思います。 |
(記者) | 26日で調整中の会談なのですけれども、これまで大臣と地元町長や知事がお会いになった時はオープンでやっていただいたと思うのですが、実際に今度もオープンの場でやりそうですか。それとも、例えば冒頭だけとか、どういうかたちになりそうですか。 |
(知事) | それを含めて調整中です。 |
(記者) | 26日というと2日後ですが、現時点で調整中というのは、何か問題があるのでしょうか。 |
(知事) | 大きな問題はないと思っています。 |
(記者) | 26日の都内で、6都県知事と馬淵大臣で会合をする予定ということですね。 |
(知事) | そうです。昨日の(北朝鮮による砲撃)事件もあったから、大臣のほうがどうなるか、それは心配しています。是非、一日も早くやらないといけません。地元の方々の気持ちを考えると、2度目の正月を迎えるわけですから、早く不安を取り除くというのが、我々の責任ではないかと思っています。 |
(記者) | 26日にもし開催された場合、負担金(支払)留保を解除するかしないかが焦点かという気がしているのですが、それはその日の内に決めたいというお考えでよろしいですか。 |
(知事) | 私は、できるだけ早く結論を出したいと思っています。 |
(記者) | 場所は決まっているのですか。 |
(知事) | 調整中です。 |
○林業公社について |
(記者) | 林業公社の関係なのですが、先日、県議会の特別委員会で、委員会としては「解散」という結論を出されました。知事のお考えと議会側の考えの違いとしては、議会は具体的に期限を定めて解散、知事は期限を定めてというところで、県民負担を最小にするためにまだまだ考えなければいけないというお考えもあると思うのですが…。 |
(知事) | いずれにせよ、これだけの大きな債務があるわけですから、これ以上、県のお金を使うということは大きな問題です。最小にするということが一番の大きな課題だと思います。 それから、林業公社でプロパーで採用されている方もいらっしゃいますから、その処遇も含めて方向性を見出ださなければいけないと思っています。早い段階で議論して、しっかりと決めたいと思います。 |
(記者) | 具体的に、議会に県としての考え方を示す時期としては、2月定例県議会ですか。 |
(知事) | (来年度の)当初予算にはしっかりと反映させなければいけません。そんなに大きな違いはないのではないですか、県議会の考え方と。 |
(記者) | 実際に林業公社をどうするかという部分については同じだと思うのですけれども、議会の考え方としては「きちんと解散という結論を出すように」ということのようなのですが。 |
(知事) | 私が前から言っているのは、プロパーの方々の問題もあるし、これ以上、大きなお金を投入するというのは大きな問題があるということです。県民負担が最小となる方法を採ることが、一番大事なことだと思っています。この2つを踏まえて、しっかりと結論を出したいと思います。 |
○前橋赤十字病院の移転について |
(記者) | 前橋赤十字病院の移転の関係でお聞きしたいのですが、移転をするという方向性は決まりましたけれども、知事は「急いでやらなくてはならない」と何度もおっしゃっています。現在は、どの段階なのでしょうか。 |
(知事) | 両方調整中なので、今はコメントを控えさせていただきます。 |
(記者) | 両方というのは、現地…。 |
(知事) | 現地の方の問題もありますし。 |
(記者) | 現地の方の問題というのは、何が問題なのでしょうか。 |
(知事) | まだ、その後はっきりとした対応ができていませんから。 |
○コメの品質低下について |
(記者) | コメの品質低下の問題が、県内に深刻な影響を与えているかと思うのですけれども、今後、県としても試食会の開催だとか、特別に袋を作ってコメを売るという対策もあるようです。知事として、作況指数が全国最悪と言われている中で、品種の選定なども言われていますが、今後どのように対策を行っていくべきかというのは…。 |
(知事) | 県としては、大きな被害が出たので、しっかりと対応していきたいということで、新聞報道にもありましたが、9,500万円を投入して、少しでも(被害を)軽減しようということです。また、規格外のコメをどのように販売するか、県と農業団体等で議論して、12月から小売店で販売してもらおうということです。できれば、(東京・銀座の)ぐんまちゃん家(ち)でも販売したいと思います。味は変わっていないわけですから、できるだけ販売していきたいと思います。 来年に向けては、異常気象で同じような事態が発生しないとも限りませんから、農政部としてしっかりと対応するように指示をしています。 |
(記者) | 今のコメの話ですが、ぐんまちゃん家で、というお話がありましたが…。 |
(知事) | (まだ関係者に話をしていないので)私の思いです。 |
(記者) | それもアイデアの一つで、販路拡大をやりたいという…。 |
(知事) | はい。記者の皆さんにも是非買っていただきたいと思います。味が変わらないので、できるだけ多くの方に買っていただいて、全部消化できるようにしたいと思います。 |
○八ッ場ダムについて(再) |
(記者) | 八ッ場ダムの話ですが、仮に26日に会談がセットされなくて、負担金支払いの結論が延びてしまう可能性もなきにしもあらずだと思います。その場合、あくまでも1都5県で連携してということで、知事は早期に支払いたいという意向はあると思いますが、みんな足並みをそろえてということでよろしいですか。 |
(知事) | 今は、26日に会議をするという強い意思を持っています。 |
○朝鮮学校に対する補助金について |
(記者) | 県内の朝鮮学校に対する補助金交付の関係なのですけれども、例年、12月と3月に、2回に分けて交付されていたということなのですが、現在の進ちょく状況と、交付の意思について変わったことがないか、教えていただきたいのですが。 |
(知事) | 今年9月に、県が朝鮮学校に調査を行いました。県の補助金が、交付目的である学校の運営費に充てられているということが確認されています。補助金の目的は、子どもたちがより良い教育を受けるためのものですので、従来から各種学校である朝鮮学校に交付しているものは、継続して交付すべきであると思っています。 |
(記者) | 具体的に、12月の概算払いというのは、されたのでしょうか。 |
(知事) | まだです。 |
(記者) | 知事としては、これまでどおり支払う意思であるということですか。 |
(知事) | はい、そうです。 |
(記者) | 前回、補助金の中身について確認するというお話をされたかと思うのですが、具体的にどういう内容を確認されましたか。 |
(知事) | 今、申し上げたように、9月に調査を行った結果、交付目的である学校の運営費に充てられたということが確認されていますので交付する、ということです。 |
(記者) | 調査というのは、具体的にどういう…。 |
(知事) | 詳しいところは、担当課に聞いてください。 |
○JRの駅構内の禁煙について |
(記者) | JRの禁煙のことで県側が何かやることはありますか。 |
(知事) | 県としても指摘されるまで認識不足だったところもありました。調べてみたところ、わたらせ渓谷鐵道は少し遅れていましたが、県内の私鉄は全部禁煙となっています。 |
(記者) | JR以外は。 |
(知事) | JR以外。そういうのは書かないのですか。 |
(記者) | 一応触れていました。最初の時に。 |
(知事) | 上毛電鉄は全面禁煙、東武鉄道も全面禁煙、上信電鉄も全面禁煙、わたらせは17駅中6駅が全面禁煙、11駅はホームに灰皿で分煙をしています。十分聞いていると思いますが、高崎線においては、JRはまず首都圏をやり、高崎線や東北線、川越線をやってきて、通勤範囲が現実のところ籠原(駅)が多いわけです。私もいつも籠原から東京へ行くのですが。籠原は普通電車で通勤圏内だから、籠原までが第1段階で禁煙となっています。たまたま(籠原駅は)埼玉県ですが。JRへはお願いに行って、本社と連携しながらその方向に努力するとの回答はいただいています。ご指摘いただいて、遅れないようにしっかりと取り組んで行きたいと思います。 |
○北朝鮮の韓国への砲撃について |
(記者) | 昨日の北朝鮮の韓国への砲撃の問題について、知事のご所感を。 |
(知事) | 言語道断の問題だと思います。 |
(記者) | 政府にどういう対応を求めますか。 |
(知事) | 政府が今言っているのは、韓国政府の立場を支持するということと、情報収集に努める、韓国、米国等と緊密に連携・対応する、不測の事態に備えるなど国民の安全・安心の確保に万全を期す。まさにそのとおりだと思います。考えられないことだと思います。 |
○朝鮮学校に対する補助金について(再) |
(記者) | 韓国を支持するということもおっしゃいましたが、北朝鮮の関連する朝鮮学校への補助金を支払うということについて、改めてどういう意義があるのか知事のお考えを。 |
(知事) | 前回(の会見で)もお答えしましたが、日本に住んでいる、また、群馬に住んでいる子どもたちが、教育を受ける権利はあってしかるべきものだと思っています。しっかりとした教育をして、その子どもたちが健全に育っていくということは大事なことだと思っています。北朝鮮の砲撃事件は世界的に許されるべき問題ではない。しかし、これと連動させるのはいかがなものかと思います。 |
(記者) | 切り離して考えるべきだと…。 |
(知事) | そう思います。 |
○小学校6年生の女子児童の自殺について |
(記者) | 桐生でのいじめに関連しまして、新年度予算で、今回のいじめを受けて新たな対策のための予算を付ける事業など、何かありますでしょうか。 |
(知事) | 県としてもスクールカウンセラーを増やすとか、スーパーバイザーの配置を強化して対応していこうとしているところです。いじめ問題については、県をはじめ市町村教委としっかり取り組まなければいけないと思っています。 |
(記者) | 今回のいじめを受けて、スクールカウンセラーの増員に踏み切ったということでしょうか。 |
(知事) | それは前からです。 |
(記者) | スーパーバイザーというのも。 |
(知事) | 前からです。 |
○林業公社について(再) |
(記者) | 林業公社の問題でもう一度お願いしたいのですが、150億円近くを存続しても解散しても、事実上三セク債分も含めて債権放棄するわけで、これは一般企業で言えば経営責任を林業公社側に問われて、融資をする銀行側も株主責任を問われるような事態です。林業公社特別委員会を全部拝聴したのですが、自民党さんの判断はそういったところを解散して、けじめを付けるべきだとおっしゃっているのだと思いますが、それについて知事はいかが思っていますか。 |
(知事) | それらも踏まえてしっかり検討していきたいと思っています。 |
(記者) | 先ほど知事は、最低の県民負担とおっしゃいました。出している資料を精査すると、2次破綻(はたん)については書いていないわけです。 |
(知事) | 今の存続か解散かの差額ですね。 |
(記者) | 存続した場合の2次破綻のリスクが、やはりこれ以上さらに木材価格が下落する場合とかいろんなことが想定されるわけで、それについて書いていません。結局、3.数億いま存続の方が軽減されるといっても、その破綻リスクがもし超えてしまえばあっという間に減殺されてしまうわけですから…。 |
(知事) | ただ、たとえ解散してもそれを県が引き取らなければなりません。 |
(記者) | 分収林事業ですね。 |
(知事) | そうです。県に吸収されるだけの問題ですが。いずれにせよしっかりと詰めて結論を出します。 |
(記者) | 分収林事業を県が引き受けたときには、どのように分収林事務をやられるのかについてはどう考えているのですか。 |
(知事) | その辺を含めて、よく検討して結論を出したいと思っています。 |
○子ども手当について |
(記者) | 先週、神奈川県の松沢知事が、子ども手当に関連して全国の首長さんに、国が求める地方負担に反対しようと、かなり強い口調で呼びかける文書を出したと思うのですが、知事は、あの松沢知事のかなり強い口調の呼びかけに対して、どのような印象を持ちましたか。 |
(知事) | 共鳴するところは大いにあります。一昨日の全国知事会でも、(子ども手当・子育て支援)プロジェクトチームリーダーの三重県の野呂知事さんからも、強い口調で菅総理におっしゃっていました。以前、鳩山前総理が、「全額国庫でやります」と。その後、長妻前厚労大臣も「全額国庫でやります」とおっしゃっているにもかかわらず、同じ民主党政権の中で、22年度は、ああいう(地方も負担する)かたちになってしまいましたけれども、23年度は全額国庫でやるとおっしゃっていたのだから。それを一昨日の全国知事会において、全国知事会の強い意見として申し入れをしたのですから、その推移をしっかりと見守って、県としても判断をしていきたいと思います。 |
(記者) | 実際に、県でも(来年度当初)予算の計上が始まってくる時期で、市町村も含めて担当する所管の人たちは、どう予算を計上していくかというのは悩みどころだと思うのですね。ゼロベースでやるのか、本当に負担するのかしないのか。その辺の攻防というのも出てくるかと思うのですが、完全に地方負担は無いものというかたちで予算に関して臨んでいきたいというお考えですか。 |
(知事) | まだ結論を出すのは早いのですが、それ位の気持ちで(予算編成に)臨んでいきたいと思っています。 |
○子宮頸がんワクチン接種の公費助成について |
(記者) | 子宮頸(けい)がんのワクチンの件なのですが、国が今年度の補正予算で接種費用を助成する関連経費を盛り込んで衆議院を通過したと。これを受けて各市町村も公費助成を行うところが増えてきているようなのですが、改めて、県として子宮頸がんワクチン接種について補助をする方針があるのかどうか、また、国が費用の無償化を進めていくことについて、どうお考えなのかということを改めてお聞かせ願いたいのですが。 |
(知事) | 子宮頸がんの(予算)が、しっかりと通れば、当然、県としても対応していかなければいけません。 |