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【社会】

時間外賃金訴訟で和解 刈谷の病院

2011年12月16日 10時51分

 通常の労働をする必要がない当直中に分娩(ぶんべん)や帝王切開手術などをさせられたとして、刈谷豊田総合病院(愛知県刈谷市)に勤務していた30代の女性医師が病院に時間外割増賃金の支払いを求めていた訴訟は15日、名古屋地裁で、医師が求めていたほぼ全額の280万円を病院が支払うことで双方が合意し、和解が成立した。

 医師は2009年4〜9月、この病院に勤務。夕方から翌朝までの宿直を月3〜4回、休日の朝から翌朝までの日直兼宿直を月1〜2回担当した。

 医師によると一度の当直で複数の分娩の処置をし帝王切開手術をするなど、昼間と同様の仕事をこなした。しかし、賃金が3〜9割増しとなる時間外勤務とはみなされず、より安い当直手当しか支払われなかった。

 医師は、病院の就業規則で決められた時間外勤務の割増率に基づいて賃金を計算。受け取った当直手当を差し引いた280万余円を支払うよう求め、10年9月提訴した。

 厚生労働省の指針では、医師の当直勤務は、病室の巡回や検温などの軽い業務に限るとし、昼間と同じ労働は時間外勤務として扱うことを求めているが、浸透せず全国で過重労働の実態が指摘されている。

 女性医師は「病院が不当な労働を認識したと和解を受け止めた。全国では医師の労働環境が悪い病院が多く、環境改善につなげてほしい」と話した。刈谷豊田総合病院は「長期間の紛争を続けるのは本意ではない。円満な和解による解決をした」とコメントを出した。

(中日新聞)

 

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