学長の逮捕(連載第8回)
朝日新聞朝刊に連載中の「プロメテウスの罠」の本日(2011年12月18日)掲載分を以下に引用します。
プロメテウスの罠
■学長の逮捕:8
輸入品 すり抜けて
東京都は福島原発の事故の後、25年間続けてきた輸入食品の放射能検査ができなくなった。
実は、輸入食品の検査は、本来は国の担当で、検疫所が実施している。食品が国内に入る時点で、1986年の暫定限度値、1キロ当たり370ベクレルで25年間検査してきた。
これに対して東京都は、独自の事業として、小売店で買った輸入食品を検査してきた。
それによると、09年度は328検体を調べて、フランス産ブルーベリージャムで暫定限度値を超える500ベクレルのセシウム137を検出した。検疫所のサンプリングから外れたものが店頭に並んだと見ることができる。
さらに、限度値を下回るものの一定の放射能が検出された食品がほかにもあった。
キノコ類4検体から100〜230ベクレル、ブルーベリー加工品3検体から90〜140ベクレルのセシウム137。国民は、知らずに基準を下回る放射能を体内に取り込んでいる。
基準となる値の考え方について、ベラルーシのベルラド放射能安全研究所副所長、ウラジーミル・バベンコはこう話す。
「ベラルーシは基準を下回る食品に認定証を発行します。認定証には1キロ当たり何ベクレルだったかが書いてある。消費者は実際の数値を知ることができます」
当局が白黒をつけてしまわず、消費者に情報を提供することで、市場原理が働く。これで、放射能濃度が低い食品は売りやすい一方、高い食品は売れにくいことになる。
「生産者はどうしたら売れるかを考えるので、農地の除染などの対策が進むことにつながります」
都の調査によると、フランス、ベルギーなど、チェルノブイリ原発から1500キロ以上離れた国の食品からも放射能が見つかっている。放射能の影響は広範囲に及ぶ。
しかし現在の日本では、福島県でさえ、測定器10台を郡山市の県農業総合センターに置いて検査する態勢ができたのは9月だった。
それにしても、輸入食品の暫定限度値は370ベクレルなのに、国内食品の暫定規制値はなぜ500ベクレルなのか。
厚生労働省食品安全部はいう。
「輸入食品は欧州の一部の地域が対象で、平常時の基準値です。それに対し、今回の事故は日本にとって緊急時なので、少し緩める必要がある。それは国際的にも認められています」(松浦新)
(引用終わり)
>実は、輸入食品の検査は、本来は国の担当で、検疫所が実施している。食品が国内に入る時点で、1986年の暫定限度値、1キロ当たり370ベクレルで25年間検査してきた。
これに対して東京都は、独自の事業として、小売店で買った輸入食品を検査してきた。
それによると、09年度は328検体を調べて、フランス産ブルーベリージャムで暫定限度値を超える500ベクレルのセシウム137を検出した。検疫所のサンプリングから外れたものが店頭に並んだと見ることができる。
さらに、限度値を下回るものの一定の放射能が検出された食品がほかにもあった。
キノコ類4検体から100〜230ベクレル、ブルーベリー加工品3検体から90〜140ベクレルのセシウム137。国民は、知らずに基準を下回る放射能を体内に取り込んでいる。
キノコ類とかベリー類は、セシウムが蓄積しやすい食物としてよく知られています。以上のことからいえることは、わたしたちが完全に過剰な内部被ばくから身を守ることは事実上不可能だということです。
>「ベラルーシは基準を下回る食品に認定証を発行します。認定証には1キロ当たり何ベクレルだったかが書いてある。消費者は実際の数値を知ることができます」
当局が白黒をつけてしまわず、消費者に情報を提供することで、市場原理が働く。これで、放射能濃度が低い食品は売りやすい一方、高い食品は売れにくいことになる。
「生産者はどうしたら売れるかを考えるので、農地の除染などの対策が進むことにつながります」
私も、日本も出来ればこうしたらいいと思います。こうすれば、風評がどうの言われる筋合いがないでしょう。消費者が自分の判断で選べるわけですから、消費者も納得できます。
>
それにしても、輸入食品の暫定限度値は370ベクレルなのに、国内食品の暫定規制値はなぜ500ベクレルなのか。
厚生労働省食品安全部はいう。
「輸入食品は欧州の一部の地域が対象で、平常時の基準値です。それに対し、今回の事故は日本にとって緊急時なので、少し緩める必要がある。それは国際的にも認められています」
わたしは、ただ単に厚生労働省が怠慢なんだと思いますが、違いますか?他の国は他の国、自分の国が大切なんじゃないですか? |
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