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<今月のテーマは漬け物野菜>
いよいよおいしくなります!
10月。北海道は越冬野菜の漬け物シーズンが到来しました。この時期になると、北海道のスーパーマーケットでは、漬け物専用売り場が設けられます。道民にとっては、この光景が秋から冬にかけての風物詩のひとつなのです。
雪で大地が覆われる冬のあいだ、道民にとっては野菜イコール漬け物といってもいいくらい、日々の食卓にのぼる身近な存在となります。
そんな道民の食生活を支える保存食ですから、北海道ならではの素材を使った漬け物がたくさんあります。その代表格が札幌大球(たいきゅう)と聖護院大根です。
 北海道、でっかいどう!
札幌大球は道内のどこでも作られている一般的なキャベツです。
ところが、一般的でない点がひとつあります。
この札幌大球、ひと玉の重量が平均で10キロ以上あるのです! 大きなものでは20キロのものもあるとか。
「キャベツ1個が10キロとか20キロ! 想像できない!」という方はこちらの写真をご覧ください。
こちらの女性(野菜ソムリエ・小川由美さん)、キャベツから生まれた妖精じゃありませんよ。キャベツが大きいんです!
北海道以外でよく見かけるふつうのキャベツのなんと8球分に相当するのだそうです。
さぞかし何枚も葉が重なっているんだろう、と思った方。じつは違うんです。
キャベツの葉の枚数は決まっているんです。ご存知でしたか?
つまり札幌大球は葉一枚一枚が非常に厚いために、これほどの大きさに成長するのです。
手間暇かかったスイートな子
こんな巨大なキャベツはもともとは外国産のキャベツでした。明治時代に導入された「レートフラットダッチ」に「アーリーサマー」や「バンダゴー」を交雑していくうちに、北海道は札幌に根付いた品種が、札幌大球というわけです。
根付いたと言っても簡単にできたわけではなく、そこには生産者の方々の大変な苦労があります。
札幌大球はそれだけの大きさに成長させるために、生育期間も通常のキャベツが120日で収穫できるところを、150日間かけなくてはなりません。当然のことながら、広い敷地も必要とします。つまり通常のキャベツより、いろいろと手間暇がかかるのです。
しかし、そうやって長い期間手をかけて大切に育てることによって糖度が増し、葉が肉厚で柔らかいと評判の札幌大球が生まれました。
ひと手間かけて北海道ならではの味
生産者の方に美味しい食べ方を聞いてみました!
「やはりこの甘さと柔らかさを一番楽しめるのは漬物ですね。しかも北海道ならではのニシン漬けがもっとも有名。石狩ではニシンの代わりにサケをいれて漬けたりもするんですよ」
キャベツはもともとビタミンC、ビタミンUが豊富で冬にはたっぷり摂りたい野菜。そこにニシンのビタミンB12やビタミンDも加わって、さらに栄養バランスのとれた逸品となります。

はんなりと道産子どす
聖護院大根は京野菜のひとつ。でも、聖護院大根も道民にとって重要な越冬野菜なんです。
聖護院大根の歴史は古く、文政年間までさかのぼります。京都の左京区聖護院に住んでいた篤農家が尾張の国からお寺に奉納された大根を譲りうけました。
このときにはふつうの大根のように長い大根だったそうですが、何年も育てているうちに丸型のものができ、品種として安定したといわれています。
一般的に直径15センチくらいの丸型なので、見た目は大根というよりむしろカブ。
でも、やはり大根なので食感はカブよりも良い歯応えです。
変わってる? いいえ、別格なんです
では、ただカタチの丸い大根かと思うと、さにあらず。
ふつうの大根よりも肉質が緻密なので味が染み込みやすく、歯応えの良い、非常においしい漬け物ができあがります。また、オススメなのは煮物。煮るととろけるような独特のやわらかさがあります。
お値段はふつうの大根の倍くらいする高級品ですが、このおいしさは一度食べてみる価値あり。そして一度食べてみたら、病みつきになること請け合いです。
※札幌大球、聖護院大根などの漬け物素材は札幌市内マーケットでは10月末より取り扱い開始です。
週末から札幌市中央卸売市場では漬け物野菜が登場し、セリにかけられています。ただ、今回ご紹介した札幌大球は夏場の異常気象のため収穫量は例年の7割減とも言われています。
そのためいつもは市場内の売場のスペースを大きく占用する大球は今現在見ることが出来ませんでした。先日面会した生産者の方によると例年は10キロ以上が当たり前のでしたが、今年の大球は8キロ前後だそうです。
異常気象が道民の冬の食生活に大きな影響を与えそうです。
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