静岡県磐田市で04年、市立小学校教諭だった木村百合子さん(当時24歳)が焼身自殺したのは勤務上のストレスが原因だとして、父憲二さん(62)が地方公務員災害補償基金を相手に公務災害認定を求めた訴訟で、静岡地裁は15日、原告の請求を認め、公務災害を認定しなかった同基金静岡県支部の処分を取り消す判決を言い渡した。
判決理由で山崎勉裁判長は、04年4月に新規採用された百合子さんがトラブルが多発する4年生のクラスの担任となり、「立て続けに強いストレスにさらされ、適切な支援も受けられなかった」と、仕事がうつ病の原因になったと判断。発症後も「児童の問題行動が頻発し、学級運営が円滑に進まない状態が恒常化し」、うつ病により自殺に至ったと認定した。
基金側は、百合子さんが授業放棄するなど社会的適応性に欠け、うつ病になったのは百合子さんにも問題があったなどとしていた。
判決はまた、百合子さんを「指導が悪い」などと批判した先輩教師や管理職の対応を「支援という方向での検討が一切見受けられないことは極めて大きな問題」と指摘した。
判決によると、百合子さんは同年9月、保護者から苦情の手紙が届いたのがきっかけで車中で焼身自殺した。
閉廷後に静岡市内で記者会見した憲二さんは、「学校の中がどうなっているのか、よく調査して同じことが起きないよう対策を立ててほしい」と話した。同基金の須藤明裕・静岡県副支部長は、「判決内容を承知していないので具体的には言えないが、基金本部と内容を精査して対応を検討したい」とのコメントを発表した。【平塚雄太】
毎日新聞 2011年12月15日 22時25分(最終更新 12月15日 23時52分)
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