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'11/12/15

事実と異なる書類作成 石川議員再聴取で検事認める

 資金管理団体「陸山会」の土地購入をめぐる収支報告書虚偽記入事件で、政治資金規正法違反罪で強制起訴された民主党元代表小沢一郎被告(69)の第9回公判は15日午後、東京地裁(大善文男だいぜん・ふみお裁判長)で証人尋問が続き、田代政弘たしろ・まさひろ検事(44)が事実と異なる捜査報告書の作成を認めた。

 田代検事は、元代表を「起訴相当」とした検察審査会の1回目の議決後、元私設秘書の石川知裕衆院議員(38)を再聴取。その内容をまとめた報告書に、石川議員が元代表の関与を認めた理由を「あなたは国会議員。やくざの手下が親分を守るようなうそをついてはいけないのでは」と言われたのが効いたと供述した、と記していた。しかし、石川議員の「隠し録音」にそのやりとりはなかった。

 弁護側は、隠し録音を基に「これまでと同じ供述をすれば元代表は不起訴になる」と供述の維持を迫ったのに報告書には書かれていないと指摘。田代検事は「思い出して作成したので、記憶が混同した」と釈明した。

 繰り返し誘導的な発言をしていることについては「石川さんの立場に同調するような形だった。対立関係になれば供述の後退が予想された」と説明、「供述を維持した方がいいと思った。(従前の方が)より真実に近いから」と述べた。

 左陪席の井下田英樹いげた・ひでき裁判官は「任意性に疑義が出るような危険な取り調べをしているという自覚はあったのか」と質問。「言葉の取られ方によってはそうなることもあると思うが、当時は気にしていなかった」と答え、故意に供述を誘導したことを否定した。

 16日の第10回公判には大久保隆規おおくぼ・たかのり元公設第1秘書(50)=同罪で有罪、控訴=の取り調べを担当した前田恒彦まえだ・つねひこ元検事(44)=大阪地検特捜部の証拠改ざん事件で実刑確定=が証人出廷する。




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