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たくさんの反響をいただきました。 −(以下、本文)− はやぶさ後継機(はやぶさ-2)への政府・与党の考え方が報道されている。大幅 に縮小すべきだという信じがたい評価を受けていることに驚きを禁じ得ない。 はやぶさ初代の代表として、発言しておきたい。 はやぶさは、史上初めて、地球圏外の天体に着陸し、その試料を往復の宇宙飛行で地上に持ち帰った。イトカワに滞在した近傍観測の成果、また帰還させた試料の分析の成果は、サイエンス誌に2度にわたって特集されその表紙を飾った。 はやぶさ後継機のはやぶさ-2 という名称が誤解を生んでいるかもしれない。私は、この後継機プロジェクトの名称を変えるべきだと主張したのだが、多数の関係者の意見を受け入れて、やむを得ずこの名称に同意した。 はやぶさを担当した者として、強調したい、その最も大きな意義は、この計画が、すべて我々日本の独創性、創造性に発しているという点にある。我が国のこれまでの産業・経済成長は、製造の国であることに依っていた。しかし、それが幻想で、いつか限界に来ることはうすうすと予見されていたはずである。近隣諸国は、かつての我が国と同様に、比較的低廉な労働力で高品質の製造技術を手にし、大きな経済成長を遂げている。しかるに、我が国では生活水準の向上、福祉レベルも上昇しているため、かつてと同じ方針で競争力が得られるはずはない。創造の国に脱皮し、転換していかなくてはならないのだ。新しい技術、新しい製品、そして新しいビジネスイノベーションを発信していかなくては、この国に競争力の復活はおろか、未来も展望できまい。その創造性を担っていくためのインセンティブをどのようにして得るのか、そして次世代を担っていく人材をどう育んでいくのかこそが問われている。 はやぶさ初代が示した最大の成果は、国民と世界に対して、我々は単なる製造の国だったのではなく、創造できる国だという自信と希望を具体的に呈示したことだと思う。 日本は、お手本と格付けがないと生きていけないかのようだ。はやぶさでこの分野で世界の最前線、トップに立ったが、トップに立つとどうしてよいかわからなくなるのだろう。NASA も欧州も、我々を目指しているのに、なにか安定しない。 私は、はやぶさ後継機のプロジェクトからは身を引いている。 はやぶさ後継機(はやぶさ-2)を進めることに政府・与党の理解を期待したい。 (元「はやぶさ」プロジェクトマネージャ、川口淳一郎)
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*はやぶさ後継機に関する予算の状況について *「はやぶさ」は、帰還一周年を迎えました。 *「はやぶさ」は今日5月9日で、打ち上げ8周年を迎えました。 *「はやぶさ」、最終着陸態勢へ *「はやぶさ」、TCM-2を完了 *「はやぶさ」、故郷、地球をとらえた! *「はやぶさ」、TCM-1を完了! *「はやぶさ」、初回軌道修正(TCM-0)を完了! *「はやぶさ」、初回軌道修正(TCM-0)を完了! *「はやぶさ」地球引力圏を通過する軌道へ! *「はやぶさ」の軌道、南極側を通って夜側に。目標点まであとわずか。 *「はやぶさ」静止軌道付近を通過する段階に *「はやぶさ」精密誘導段階へ *はやぶさの帰還とカプセルの再突入・回収にむけて *「はやぶさ」、月までの半分以内を通過へ *「はやぶさ」いよいよ月軌道の内側へ! *「はやぶさ」まもなく月軌道の内側へ *「はやぶさ」、あと60万km *「はやぶさ」、月までの2倍まで接近する軌道に *「はやぶさ」地球まで100万km以内に戻ることが確実に *「はやぶさ」地球帰還へ順調。残りできました *「はやぶさ」地球引力圏を通過する軌道に帰還できました *「はやぶさ」地球引力圏まであとわずか *「はやぶさ」地球引力圏まであとわずか |
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