スマートフォン、タブレット型パソコンなど携帯端末用の基本ソフト(OS)開発競争で、脱落が相次いでいる。グーグルの「アンドロイド」とアップルの「iOS」による二強の構図が固まり、シェアが低いOSが次々と市場から淘汰(とうた)されているためだ。モバイル市場の成長性に期待して参入した企業は、最終的に競争を断念した。
■HP、「ウェブOS」を無料公開
米コンピューター大手、ヒューレット・パッカード(HP)のメグ・ホイットマン最高経営責任者(CEO)がこのほど、自社開発した携帯端末向OS「ウェブOS」のソースコードを外部の開発者に無料で公開すると発表した。 HPは同OSの商業的な活用を断念した格好だ。
HPが白旗を揚げたのは、戦っても勝算がないと判断したからだ。ウェブOSの世界シェアは現在、1%未満だ。ウェブOSは2009年に発表された当時、親しみやすい使用方法、アプリ製作のため便利な環境などで高評価を得た。しかし、ウェブOSを採用したスマートフォンのハードウエアとしての完成度が劣り、競争で劣勢に立った。
携帯端末用OSの開発を断念したのはHPだけではない。ノキアは今年2月、既に自社のOS「シンビアン」の採用を断念し、マイクロソフト(MS)の「ウィンドウズフォン7」に乗り換えた。「ブラックベリー」で知られるカナダのリサーチ・イン・モーション(RIM)は今月7日、新OS「ブラックベリーX」を発表した。ブラックベリーXは、既存のOSに、RIMが昨年買収したQNX社が開発したOSを統合したものだ。独自開発だけでは市場の変化に追い付けないとの判断が背景にある。
■サムスン電子、「パダ」放棄せず
携帯端末用OS市場は、徐々にグーグル、アップルの両者による寡占状態が固まりつつある。市場調査会社ガートナーによると、アンドロイドの世界シェアは53%で、昨年の2倍以上に達した。アップルのiOSのシェアは15%に低迷しているが、販売台数は昨年に比べ30%増えた。シェア自体も今年10月の新機種「iPhone4S」の発売以降伸びている。ノキアのシンビアンが17%で2位だが、製品の大半が低価格機種だ。シェアは昨年の36%から半分以下に落ち込んだ。4位のRIMも昨年に比べ販売台数が25%以上減少した。
韓国メーカーが開発した携帯端末用OSも岐路に立っている。開発にコストがかかるのに対し、販売の役には立っていないためだ。サムスン電子が独自開発したOS「パダ(Bada、海の意)」は、搭載機種の販売台数が昨年の2倍以上に増えた。それでもシェアは依然2%だ。インテルなどと共同開発中のオープンOS「Tizen」は、商用化のめどさえ立っていない。サムスン電子は両OSの開発に少なくとも300人の研究チームを投入しているという。同社役員は「パダを断念することはない。シェアを高めるため、世界的に開発者向けのイベントを開くなど、さまざまな努力を重ねている」と説明した。
成均館大の鄭泰明(チョン・テミョン)情報通信工学部教授は「長期的に見れば、テレビ、スマートフォンなど全ての機器を融合したOSが登場するはずだ。モバイル市場で劣勢となっても、OS開発を続けるのが望ましい」と指摘した。