経済

文字サイズ変更

ユーロ:売り加速、2カ月ぶり安値 欧州不安再燃

対円のユーロ相場の推移
対円のユーロ相場の推移

 欧州債務危機への不安が再燃し、外国為替市場でユーロ売りの動きが活発化している。14日早朝の東京市場では、前日終値比1円以上安い1ユーロ=101円40銭台まで下落し、今年10月上旬以来、約2カ月ぶりの安値をつけた。ユーロ圏各国の国債の格下げ観測も市場の懸念材料となっており、不安定な相場環境が続きそうだ。

 ユーロ売りが加速したのは13日午前(現地時間)のニューヨーク市場。欧州安定メカニズム(ESM)の資金規模引き上げに、独メルケル首相が否定的な見解を示したと報じられ、欧州危機への不安が高まった。ユーロは対ドルでも売り込まれ、一時1ユーロ=1.30ドル程度と今年1月上旬以来、約11カ月ぶりの水準に急落。米連邦準備制度理事会(FRB)が同日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で景気回復に前向きな認識を示し、一段の金融緩和観測が遠のいたことも影響した。

 欧州危機を巡っては、米大手格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)が5日にユーロ圏15カ国の国債格付けを引き下げる方向で見直すと発表。最上位格のフランス国債が格下げされれば、現行の安全網である欧州金融安定化基金(EFSF)が崩壊しかねず、市場の緊張感は高まっている。三菱UFJ信託銀行の塚田常雅グループマネジャーは「実際に格下げされれば投資家のユーロ離れに拍車がかかり、1ユーロ=100円割れの可能性もある」と指摘する。【大久保渉】

毎日新聞 2011年12月14日 21時53分(最終更新 12月15日 0時16分)

 

おすすめ情報

注目ブランド

特集企画

Googleの中小企業支援に迫る

あなたのビジネスが“オンライン”に!

東京モーターショー 注目のクルマ

クルマの最先端が集結

東海大学:ソーラーカーレースで連覇!

学生は社会で必要とされる力を身につける

毎日jp共同企画