【ワシントン白戸圭一】オバマ米大統領は14日、米ノースカロライナ州のフォートブラッグ陸軍基地でイラク帰還米兵を前に演説し、「イラクの未来は国民の手に委ねられる。今日をもってイラクでの米国の戦争は終わる」と述べ、03年3月から続いてきたイラク戦争の終結を宣言した。旧フセイン政権による大量破壊兵器開発を理由にブッシュ前米政権時代に開始され、国際社会の分断を招いた戦争は8年9カ月を経て幕を閉じる。(10面にオバマ大統領演説要旨)
来年の大統領選で再選を目指すオバマ大統領は、演説で「お帰りなさい」と帰還兵に呼びかけ、「数日中に最後の部隊がイラク出国を始め、米軍の歴史で最も特別な一章が幕を閉じる」「イラク戦争は間もなく歴史の一部になる」と述べ、公約に掲げたイラクからの撤収完了を誇示した。バグダッドでは15日に米軍部隊の旗を降ろす式典が開かれる予定だ。
大統領は就任前にはイラク戦争に反対していたが、演説では「我々は、安定し、民衆に選ばれた政府を持つイラクを去る」と述べ、イラク民主化の成果を強調した。一方で「戦争終結は開戦より難しい」とも語り、イラク治安部隊への権限移譲が困難だったことを認めた。
毎日新聞 2011年12月15日 東京夕刊
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