NHK岩手県のニュース 盛岡放送局
津波てんでんこ 山下氏 死去
津波からいち早く逃げることの必要性を「津波てんでんこ」ということばを使って呼びかけてきた岩手県の津波の歴史の研究家山下文男さんが、13日未明入院先の盛岡市の病院で亡くなりました。
87歳でした。
山下さんは、大正13年に現在の大船渡市に生まれ昭和8年に三陸沿岸を襲った大津波で一族9人を亡くしました。
その経験から津波の歴史の研究を進め、防災に関する本を数多く出版するとともに大地震が起きたら津波が来る前に家族がばらばらになっても逃げる「津波てんでんこ」ということばを使って呼びかけてきました。
おととしには、太平洋戦争の末期に当時の情報統制で詳細が明らかにされていなかった中部地方で発生した2つの大地震の実態に迫った本を出版し注目を集めました。山下さんはことし3月の震災当時、入院先の陸前高田市の病院で津波の被害に遭い、その後、盛岡市の病院で入退院を繰り返していました。
山下さんの告別式は、今月17日に大船渡市で行われるということです。
山下さんと交流があった津波工学が専門で東北大学大学院の今村文彦教授は「山下さんは自ら津波を体験し、怖さをよく理解していて、小説や子ども向けの絵本にするなどして広く語ってこられた。津波を語り継ぐ代表的な方が亡くなったことは大変残念だ」と話していました。
12月13日 19時03分
岩手県のニュース
マイエリアの登録方法
表示したい都道府県を最大2つまで登録することができます。
- 未登録の場合は「登録」ボタンをクリックします。
- 登録したい都道府県を地図から選択します。
- 確認ボタンをクリックすると登録が完了します。
※登録した都道府県を変更するには「変更」ボタンをクリックします。