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飯舘村4ヵ月滞在 積算被ばく、最高で19ミリシーベルト
福島第1原発事故の発生後、福島県飯舘村の高線量地域に6月21日までとどまった後に避難した場合、4カ月間の積算線量が19ミリシーベルトに達するとの試算を独立行政法人放射線医学総合研究所(千葉市)がまとめ、13日に福島市で発表した。 同研究所緊急時線量評価チームの赤羽恵一チームリーダーが、県と県立医大が進める県民健康管理調査の線量評価の一環として明らかにした。 試算は、原発20キロ圏の警戒区域とその北西の計画的避難区域がある計12市町村を対象に、18の住民の避難パターンを設定。震災当日の3月11日から6月21日まで飯舘村の最も線量が高い場所に滞在し、21日に福島市へ避難、7月11日まで過ごした場合は4カ月間で19ミリシーベルトとなった。 同じ飯舘村でも、避難するまでの滞在地点を村役場周辺と仮定した場合、累積線量は6.2ミリシーベルトとなった。計画的避難区域に指定された飯舘村では、5月半ばから集団避難が始まり、同月末までに大半の人が村外に出たとされる。 福島県の「県民健康管理調査」検討委員会座長を務める山下俊一福島県立医大副学長は「20ミリシーベルトを超えても影響は小さいが、しっかり健康管理しなければならない。情報提供や避難判断はもっと早く行うべきだった。検証が必要だ」と話した。 計算には、原子力安全・保安院と緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム(SPEEDI)の試算、文科省の観測結果を用い、対象地域を2キロ四方の領域に区切って平均を求めた。 いずれの試算も、屋外活動時間の長さや建物の材質次第で違う結果になる。県や放医研は試算結果を公開し、より個人の実情に即した結果の得られる県民健康管理調査への協力を呼び掛ける。
2011年12月14日水曜日
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