Twitter Japan株式会社は、12月9日夜にテレビ放映されたアニメ映画「天空の城ラピュタ」の際に、秒間ツイート数が2万5088件に達したと発表した。
主人公の2人が滅びの呪文を唱える瞬間にシンクロさせて、掲示板などインターネット上にその呪文「バルス」と書き込むのが日本のインターネットユーザーの習わしとなっている。最近の日本におけるTwitterの普及もあり、秒間ツイート数の新記録を達成するに至った。
Twitterが6日に発表していた2011年の秒間ツイート数ランキングでは、8月28日に行われた「MTV Video Music Awards」で、ビヨンセがステージ上で妊娠を発表した際の8868件が最多だった。
【追記 16:45】
2万5088件という数字は、日本時間12月9日23時22分ごろ、ツイート数がピークを記録した1秒間のもの。ツイート内容に関係なく、その瞬間に世界中でツイートされた数がすべてカウントされている。「バルス」以外にも「目が、目がぁ〜!」なども一部含まれていると思われるほか、当然ながら「天空の城ラピュタ」とは全く無関係な通常のツイートもカウントされていることになる。
ただし、通常時における同時間帯の平均的な秒間ツイート数は、多く見積もっても数百件程度を超えることはないと予想されるため、2万5088件のうちのほとんどが「バルス」がらみとみられる。
また、ピークの1秒間の前後にも通常時に比べて秒間ツイート数が増加していたことが観測されており、フライングしてしまった人や出遅れた人など、タイミングがずれてしまったと思われるツイートも相当数存在するとみられる。それらを踏まえると、Twitterユーザーの“バルス祭り”参加者はさらに多くなると考えられる。
【追記 18:20】
米Twitterでは、より世界的なイベントであるMTV Video Music Awardsやサッカーのワールドカップの時を超える瞬間的なピークが、日本の古いアニメ映画のテレビ放映によって引き起こされることについてにわかに理解しがたいところもあったようだ。それまでの記録である8868件とはかけ離れた数字が観測されたため、セキュリティなどの確認も行われたという。
しかし、その後の精査で正しくカウントされた数字であることを確認。また、同社取締役会長のジャック・ドーシー氏が以前より「天空の城ラピュタ」という作品自体に好感を持っていたこともあり、秒間ツイート数の記録として公式発表するに至った模様だ。
ニュースや事件を受けてではなく、あらかじめ予定されている何らかのイベントに合わせてツイートするような使い方は、ほかには新年の“あけおめツイート”などが考えられ、ユーザー数でいえば「バルス」よりもはるかに多くの人が実行する可能性がある。しかし、必ずしも2012年になった瞬間にツイートしなければならないというものでもないだろう。世界規模でみれば時差もあるためにタイミングも分散する。
また、米国では年明け早々、アメリカンフットボールのNFLシーズン優勝決定戦となる「スーパーボウル」など、ツイートを増加させそうなイベントがある。しかし、「天空の城ラピュタ」よりも多くの人々の関心を集め、全体としてはより多くのツイートが発生するビッグイベントであっても、ツイートのタイミングは分散してしまい、ある1秒に集中するような可能性は低い。記録を塗り替えるのは、「天空の城ラピュタ」の次回テレビ放送になることも十分に考えられる。