中途解約金条項は無効 葬祭積み立てで京都地裁
将来の冠婚葬祭に備えて一定額を積み立てる互助会契約を中途解約した際、高額な手数料を徴収するのは消費者契約法に反するとして、NPO法人「京都消費者契約ネットワーク」が冠婚葬祭会社「セレマ」(京都市中京区)に解約手数料を定めた条項の差し止めなどを求めた訴訟の判決が13日、京都地裁であった。瀧華聡之裁判長は「消費者契約法により無効」として同社にこの条項の使用差し止めを命じた。
同ネットによると、互助会の解約手数料を無効とする判決は初めて。業界団体「全日本冠婚葬祭互助協会」(244社)によると、互助会の契約件数は全国で約2372万件(9月末現在)に上り、同業他社の解約手続きにも影響を与えそうだ。
瀧華裁判長は、同協会のモデル約款に準じているため条項は適法としたセレマ側の主張について「モデル約款をもって合理的規定として考慮できない」と退けた。手数料の根拠とした不動産管理費や人件費、設備維持費についても「解約にかかわらず常に生じる」と指摘。解約手数料は、月ごとの支払い時に負担した1回58円の口座振替費に限られるとした。
セレマは「解約手数料は監督官庁や業界団体の指導、基準に基づいており、適正だ。今後の対応を検討したい」とコメントした。同協会は「モデル約款に強制力はなく、あくまで各社が約款を定める際の参考。判決内容は極めて遺憾」としている。
【 2011年12月13日 23時16分 】
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