走る方向を突然変える自転車はマナーが悪い代表例。玩具メーカー「ピープル」(中央区)は、ウインカーを備えた通勤者向け自転車「ジェントルギア」(4万9980円)=写真・同社提供=を発売した。自転車通勤する社員が「交通ルールを守りながら気持ちよく走れる」をテーマに開発した。
道路交通法で自転車は車と同様、右左折や停車時に手や方向指示器で合図しなければならない。しかし、ハンドルから片手を放しての合図は危険がある。ウインカー付き自転車は70年代ごろ子供向けを中心に流行したが、現在はほとんどない。
ジェントルギアは、後部荷台にブレーキランプと一体のウインカーをつけた。電池式でハンドルについた三つのボタンで操作。左か右を押すと両脇の黄いランプが方向を示す。赤いブレーキランプはリアブレーキをかけるか中央のボタンを押すと点灯、点滅する。
同社は10年前に子供用自転車の製造・販売を始め、3年前から大人用に参入。開発担当者は自転車通勤する際、信号無視や車道右側を逆走する自転車の多さに心を痛め、このままでは事故が増えると心配した。そこで、ルールを守るようになり、安全性も高い自転車を目指したという。ふらつき防止にかごを前輪上でなく後部荷台右側に設置、スーツが汚れない工夫もした。
新聞広告で「総理大臣、自転車レーンを早く造ってください。そこを走る“ジェントルギア”は創りました」とうたった。同社は「国がレーン整備に動いてくれたらとの思いも込めた」と説明する。
自転車政策を提言するNPO法人「自転車活用推進研究会」の小林成基理事長は「安全への努力は他の自転車メーカーも見習うべきだ」と評価する。問い合わせはピープルお客様相談係(03・3862・3739)。【馬場直子】
毎日新聞 2011年12月14日 地方版
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