14日午前、元慰安婦の集会が千回となるのにあわせて、ソウルの日本大使館前に設置された「平和碑」。高さ約1・2メートルで元慰安婦の少女時代を題材にしている=ソウル、中野晃撮影 |
元日本軍慰安婦らが「日本政府の謝罪と賠償」を訴えてソウルの日本大使館前で続けてきた集会が14日、通算千回を数える。支援団体は「歴史を忘れないため」として、大使館そばに元慰安婦の少女時代を題材にした記念碑を設置。日韓に横たわる懸案は解決のめどがたっていない。
集会は1992年に始まり、毎週水曜日に開いてきた。韓国政府に登録した元慰安婦は234人。今年16人が亡くなり、生存者は63人になった。朝鮮半島の平壌から中国の戦地に13歳のときに連れて行かれたという元慰安婦の吉元玉(キル・ウォンオク)さん(83)は、過去の記憶に苦しみ、何度も死にたいと思った。南北の分断で故郷には戻れないままだ。もらった養子を生きがいに露天商をして暮らしてきた。「日本政府は、間違ったことをしたと認め、きちんと謝ってほしい」と訴える。支援団体の尹美香(ユン・ミヒャン)代表は「死者の思いも継ぎ、ハルモニ(おばあさん)の願いがかなう日まで集会を続ける」と話す。
日本政府は、慰安婦問題は65年の日韓国交正常化時に結んだ請求権協定で「解決済み」としている。設置された記念碑についても「憂慮」を伝えていた。