できごと【関西事件史】附属池田小児童殺傷(7)監禁された先輩記者+(4/5ページ)(2011.12.11 10:00

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できごと

【関西事件史】
附属池田小児童殺傷(7)監禁された先輩記者

2011.12.11 10:00 (4/5ページ)関西事件史
凶行があった現場近くで検証する大阪府警の捜査員ら(本社ヘリから)

凶行があった現場近くで検証する大阪府警の捜査員ら(本社ヘリから)

契約書を“盗み見”

 翌日、私自身が向かったは最も遠い兵庫県加古川市。宅間が事件を起こすきっかけになった3番目の元妻と暮らしていた場所だ。通信部からの情報で判明したマンションで聞き込みをしたが、残念ながら宅間を知っている人は皆無だった。

 絶対にもう一つ前の居住地を割り出さないと…。住民から聞いた大家さんの住所を尋ね、何度もお願いしたが、一切取材に応じてくれない。マンションに看板がかけられている不動産会社に望みをかけた。

 対応してくれたのは若い男性従業員。当然、「契約者の情報を漏らすわけにはいかない」ときっぱりと断られたが、簡単に引き下がるわけにはいかない。どれほど悲惨な事件で、報道する意味があるのかを必死に訴えると、従業員は「上司に聞いてくる」と言い残し、事務所の奥に入っていった。

 私の懇願にほだされたのか、それとも単に不注意だったのかは分からない。テーブルの上に「契約書」と書かれたファイルが置き去りになっていた。この状況で盗み見ない新聞記者なんているのだろうか。どきどきしながらファイルを開くと何ページ目かに宅間の名前が目に飛び込んできた。

 住所を丸暗記し、ファイルを閉じてから1分もたたないころ、従業員が戻ってきた。「申し訳ありませんが、やはりお答えできません」。心の中ではお礼を言いながら「そうですか…」と残念そうに装って事務所を後にした。外に出ると、ハイヤーに飛び乗った。(呼称略)

 (東京社会部 楠秀司)

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校庭に避難した児童を父母らが次々と迎えにきた
池田署に連行される宅間元死刑囚(毛布をかぶった人物)

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