『どこまで携帯電話会社は通信記録を捜査当局に開示するのか? 驚くべき実態判明!』 (右記) http://news.livedoor.com/article/detail/4565160/ 2010年01月23日12時00分 / 提供:GIZMODO を参照してみました。 原文は『Sprint to Humans: We Know Where You Are, and So Do the Police』(下記)です。 http://gizmodo.com/5417225/sprint-to-humans-we-know-where-you-are-and-so-do-the-police (以下引用、番号は私がつけました。) @「何か重大事件が起こってしまってからでは遅いですから、当社では現在、捜査機関などが自由に携帯電話ユーザーの現在の居場所を探索できる特殊システムを提供して、特に当社がロックをかけたりすることなく使ってもらっていますよ。このシステムを用いると、調べたいユーザーの携帯電話番号を入力するだけで、約3分ごとに更新される現在位置情報を過去60日間にさかのぼってスムーズに閲覧可能です。当社の特殊システムをフル活用し、GPSケータイを持ち歩いている人の現在の居場所などが昨年1年間に当局から検索された回数は、米国内では合計して800万回に上っていますね」 A「年間800万回と聞くと驚いちゃうかもしれませんけど、これは決して800万人の個人情報が引き渡されているという意味ではありませんよ。特定の人物に対して、継続的に情報検索がかかっている場合がほとんどなので、実際のところは、それほど多くの人々の個人情報を、犯罪捜査などの目的で捜査当局が追っているわけではありません。さらには、911(日本の110番)通報を受け付けてから、瞬時に電話をかけてきた人の居場所を突き止めるために善用されているケースも多いわけですから...」 B「このGPS特殊システムに加えまして、当社のほうで、ユーザーの皆さまが携帯電話から閲覧したインターネットのURL情報については、最低でも24カ月間は保管されております。こちらは捜査目的のみならず、マーケティングなどにも有効活用できるようになっていますね」 (以上引用) @とAに関して。USA(アメリカ)でもテロリスト以外の一般市民に対する盗聴行為に対しては令状が必要です。令状なしで捜査した場合には大きな問題になる可能性があります。実際に、上院特別委員会が調査に入ったという事実があります。 『米、盗聴活動で違法行為 上院情報特別委が調査へ (共同通信)』 (以下引用) 【ワシントン16日共同】ロイター通信によると、米司法省は16日、国家安全保障局が続けている盗聴活動について、人権侵害を防止するために設けられた規制を犯す違法行為があったことを認めた。上院情報特別委員会は近く調査に乗り出すことを決めた。[ 2009年4月17日9時33分 ] (以上引用) 『権限越えた通信傍受発覚=米国内個人電話やメール−国家安全保障局 (時事通信)』 (以下引用) 【ワシントン17日時事】 外国の通信や電波情報を傍受、分析している米国家安全保障局(NSA)が、テロ対策として令状なしで傍受できる法的権限を越え、国内の市民の通信も傍受していたことが17日までに分かり、プライバシーの侵害との批判が出ている。米主要メディアが報じた。・・・(中略)・・・ニューヨーク・タイムズ紙などによると、NSAは令状が必要な米国内の個人のメールや電話の会話も同時に傍受していた。 [ 2009年4月17日15時30分 ] (以上引用) 以上のようなことを考えると、この点では日本と同様、警察・消防に自分の携帯電話をつかって通話しない限り、携帯電話の通信情報が令状なしの違法・越権調査によって使われることは許されていないはずです。日本では、通信傍受に関しては傍聴法という法律があり、令状主義のもとで(1)薬物犯罪、(2)銃器犯罪、(3)集団密航、(4)組織的犯罪の4類型の犯罪に限定して傍聴が許されています。また、携帯電話の位置情報(位置登録情報)に関しては総務省が『電気通信事業における個人情報保護に関するガイドライン26条解説改定版』等で保護し、情報入手可能性を制限していて、各電話会社等は個人情報保護を理由に警察等からの正式な令状がないと情報を提供しないことになっています。『電気通信事業における個人情報保護に関するガイドライン26条解説改定版』では主に利用者のプライバシーを保護するための措置として次の部分を明確にしています。 1.利用者の意志に基づいて位置情報の提供を行うこと 2.位置情報の提供について利用者の認識・予見可能性を確保すること 3.位置情報について適切な取扱を行うこと 4.第3者と提携の上サービスを提供する場合は、約款等の記載により利用者のプライバシー保護に配慮すること このガイドラインが守られていれば、@で述べられているように携帯電話が追跡用発信機として使われることはないはずです。 Bに関して言えば、『楽天がパソコンから検索履歴を収集 個人情報を無断利用?』 (右記)http://sankei.jp.msn.com/economy/business/090821/biz0908210018001-n1.htm において『infoseek』というサイトに「アドフォユー(ad4U)」というシステムを使い、検索サイトにアクセスした利用者のパソコンから、他社サイトにアクセスした履歴に関する情報を収集し、広告配信に利用していることが判明して、総務省から「社会的なルールに反する。」と批判されたということが掲載されています。一方的に個人のアクセス履歴のような通信情報を収集するのも問題があるということです。 実は、このようなアクセス履歴の収集や漏洩は「集団ストーカー現象」とよばれる現象とも無関係ではありません。「集団ストーカー現象」の一部である「ほのめかし」行為の被害者(ターゲット)個人情報やあるいは通信情報を入手・利用されている可能性が高いからです。このことに関しては『集団ストーカー現象と個人情報の入手可能性の関連性』(下記) http://infowave.at.webry.info/200911/article_1.htmlを参照してください。 私たちは携帯電話に依存する社会にいます。以前ならば、「ネクタイができないならば社会人ができない。」という意見(場合によっては偏見)を持っていた人々も多かったのではないでしょうか。現在では、ネクタイでなく、「携帯電話を持てなければ社会人ができない。」という意見(場合によっては偏見)が定着してきているのは確実ではないでしょうか。日常身につける必要のある携帯電話ですから、それに関係する個人情報や通信情報を含む広義プライバシーは気にするべきです。よく言われている「悪いことをしていなければ盗聴や追跡されても問題ないはずである。」という意見は愚かな意見として判断されるべき時代が現前しているのではないでしょうか。広義プライバシーに関しては、『プライバシーとはなにか−−「プライバシー保護」と「個人情報保護」の違いに関する考察−−』(下記)を参考にしています。 http://www.asahi-net.or.jp/~VR5J-MKN/point/privacy/ さて、私たちの安全を守っている自衛官職や警察官職や公安職の人たちは「監視行為」についてどう感じているのでしょうか。私たちを監視する立場の人たちの監視に関する考えに注目させていただきます。いままで国家公務員、たとえば警察官、自衛官にGPS携帯を常時持たせて位置管理しようとする意図があったのは確かです。 実際に『ケータイWatch』の「警視庁、地域警察官にGPS携帯導入へ」(下記) http://k-tai.impress.co.jp/cda/article/news_toppage/43999.htmlでは 「警視庁では2008年に交番勤務などの地域警察官にGPS携帯を導入し、2013年までに全署あわせて5000台が配備される予定である。」という内容が述べられています。しかし、GPS携帯所持の義務は勤務時間内に限定されているはずです。 また、下記『GPS嫌なら防衛省去れ」石破防衛相怒る』 http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/071101/plc0711011830010-n1.htm を参照してください。自衛官をGPS携帯で日常監視しようとしていました。しかし、『防衛省、GPS携帯での幹部行動把握を断念へ』(右記)http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/071201/plc0712011600001-n1.htmを参照すると・・・ (以下引用) 「携行を義務づける法的根拠やプライバシー保護の観点からの幹部の感情的反発、 技術革新への対応などの問題点が浮上していた」 (以上引用) と述べられています。プライバシー保護に対する意識は国家公務員も同じなのではないでしょうか。国家公務員としての警察官や自衛官が愛国心や志気が高いということはよく報道されていますが、その国家公務員でさえ、すくなくとも勤務中以外のプライベートな時間をGPS携帯で監視されることを望んでいるとは考えにくいのです。 したがって、日本では、警察官でさえ傍聴法に基づいた令状がある場合以外の盗聴・盗撮は禁じられているというのは当然であると考えていると感じられるのです。公務員である彼ら自身が職務上の立場以外のプライベートな日常を監視されたくないと感じていると判断できるのですから、一般市民(一般庶民という用語が好きな人もいます。)が日常生活を監視されることを望んでいるとは判断できないのではないでしょうか。 しかしながら、ここで出てくる問題は、「自分は監視されたくない。しかし、ほかの人を監視しなくてはならないという義務感(場合によっては強迫観念?)に駆られる。」とか「監視しなくては気が済まない。」という人たちがいないとは限らないということです。 これからの情報社会は「ユビキタス」とよばれる通信機器がいつ、どこでも繋がる社会になることは確実であるといわれています。つまり、通信の秘密に関する法律や個人情報保護法や『電気通信事業における個人情報保護に関するガイドライン26条解説改定版』が守られない場合、通信機器を通じていつでもどこでも個人の居場所から通信情報までを本人の認証なしに一方的に入手されてしまう世界ができてしまうということです。「自分は監視されたくない。しかし、ほかの人を監視しなくてはならないという義務感(場合によっては強迫観念?)に駆られる。」とか「監視しなくては気が済まない。」という人たちが存在しないとは限らないと私が思う理由は『情況の囚人 ― 1971年”スタンフォード監獄実験”とは』(右記)http://x51.org/x/06/04/2439.phpを参照したからです。日常的には一般の人と変わらない人が「監守」の立場になると、日常的には同じ一般人を「囚人」とみなし、監視のほかに嫌がらせや虐待をする可能性がないわけではないということが示唆されています。これは恐ろしいことです。少なくとも、「ユビキタス」という世界が確立すると、警察官等の調査権限を持てる立場の人間とちがう、一般的な通信機器の使用者は常に「電波首輪」をつけられている囚人として扱われる可能性があると自覚する必要があるのではないでしょうか。 さらに、クラウドコンピューティングというシステムが急速に普及していくことも確実です。『Wikipedia』という百科事典の「クラウドコンピューティング」(下記) http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AF%E3%83%A9%E3%82%A6%E3%83%89%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%83%94%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%83%86%E3%82%A3%E3%83%B3%E3%82%B0に以下のような記載があります。 (以下引用)「従来のコンピュータ利用は、ユーザー(企業、個人など)がコンピュータのハードウェア、ソフトウェア、データなどを、自分自身で保有・管理していたのに対し、クラウドコンピューティングでは「ユーザーはインターネットの向こう側からサービスを受け、サービス利用料金を払う」形になる。ユーザーが用意すべきものは最低限の接続環境(パーソナルコンピュータや携帯情報端末などのクライアント、その上で動くブラウザ、インターネット接続環境など)のみであり、加えてクラウドサービス利用料金を支払う。実際に処理が実行されるコンピュータはサービスを提供する企業側に設置されており、それらのコンピュータ本体の購入費用や蓄積されるデータの管理の手間は不要となる。」(以上引用) 一番注目すべきポイントは「通信手段を使ってクラウドコンピューター(スーパーコンピューター)でデータ処理し、データも会社自体が保有・管理していない。」ということなのです。違法・越権盗聴に対するセキュリティは素人目にも明らかに落ちていることが確認できるのではないでしょうか。ユビキタス社会を大きな監獄と考え、自分たちは監守(権限者)である、あるいは雲の上の人(クラウドコンピューターを自在に操れる人)であると思い込んでいる人や集団がターゲットをクラウドを使用している会社(法人)にすることも考えられます。単に「監守(権限者)にとってむかつくから。」、「監守(権限者)にたいして反抗的だから。」といった理由でクラウドコンピューター内の会社(法人)情報に違法・越権アクセスし、情報漏洩するような会社(法人)に対する嫌がらせがおこらないとは限りません。注意が必要です。情報に対する不正・越権アクセスを通じた違法な情報入手・情報漏洩をもとにした嫌がらせが技術上・システム上できないことを保証するような認証システムを含むセキュリティ対応が必要になると考えられます。 参考: 『令状主義と電波首輪理論の成立可能性』 http://infowave.at.webry.info/200812/article_1.html 『傍聴法は盗聴法?(国会報告による運用判断と無関係盗聴の増加)』 http://infowave.at.webry.info/200912/article_1.html 『量子暗号化技術の進展と電波首輪理論「共謀罪と傍聴法・個人情報保護法の無力化」 』 http://infowave.at.webry.info/200609/article_1.html |
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ライフログ集合体と個人情報・プライバシー問題(『思考盗聴』とよばれる現象の一種について)
『プライバシーとはなにか−−「プライバシー保護」と「個人情報保護」の違いに関する考察−−』 (1999年8月28日 弁護士 牧 野 二 郎) http://www.asahi-net.or.jp/~VR5J-MKN/point/privacy/#14 に「8プライバシー権の現代的内容」という部分があります。 ...続きを見る |
Tea & Coffee Time 2010/01/29 08:18 |
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