中国・北宋時代(960〜1127年)の絵巻で、神品とたたえられる「清明上河図(せいめいじょうかず)」(張択端・画)が、日中国交正常化40周年の記念行事として東京国立博物館で来年開催される特別展「北京故宮博物院200選」(朝日新聞社など主催)に出品されることが決まった。北京の故宮博物院から東京国立博物館に12日、中国の国家文物局が出品を許可したと連絡が入った。中国から国外に出品されるのは初めて。
「清明上河図」は縦24.8センチ、長さ528センチの絹本製の図巻で、清明節(新暦では4月5日ごろ、中国では墓参りなどをする)の頃の北宋の都・開封(かいほう)(現在の河南省開封市)と郊外の風景を描いたとされる。
郊外の川べりの風景や、荷を満載した船、街道、大小の店、行き交う馬やかごなどが、墨と淡彩で描かれる。登場人物は約800人。中国の風俗画の最高峰と言われ、国家一級文物(国宝)にも指定されている。