綾辻作品の新しい流れを作った本格ホラー『最後の記憶』から7年。今回は90年代の公立中学校を舞台に、綾辻的恐怖の世界が繰り広げられます。今まで以上に共感度とリーダビリティが高く、ファンならずともワクワクさせられる作品です。本格ミステリの盟主なればこその幾重にも張られた伏線など、読みどころも満載!!
綾辻 行人(あやつじ・ゆきと)
京都大学教育学部卒業、同大学院博士後期課程修了。1987年、在学中に『十角館の殺人』で衝撃的デビューし、
いわゆる新本格ムーブメントの契機となる。1992年には『時計館の殺人』により第45回日本推理作家協会賞を受賞。
その「呪い」は26年前、ある「善意」から生まれた――
夜見山北中学校の3年3組には、かつて「ミサキ」という生徒がいた。スポーツ万能かつ優等生でありながら、気さくでチャーミングなみんなの人気者だったミサキがある日急死してしまい、悲しみに打ちひしがれたクラスメイトたちは、卒業までの日々をミサキが生きているかのように過ごしてゆこうと決めた。ミサキの席はそのままに、朝、登校したら挨拶をし、折りに触れて皆で話しかけ――この美しいエピソードはしかし3組に、ある歪んだ事象をもたらしてしまう。
謎のカギを握る少女「ミサキ・メイ」
1998年春。3年3組に転校してきた榊原恒一は、何かに怯えているようなクラスの雰囲気に不審を抱いた。そんなクラスの中で、異彩を放っているのが、孤高の美少女ミサキ・メイだ。片目に眼帯をつけていつも一人絵を描いており、不思議な存在感をもった彼女に魅せられた恒一は接近を試みるが、謎は深まるばかり。彼女は何かを知っているのか。いや、彼女はそもそも何者なのか――?
いったいこの「世界」では、何が起こっているのか?
メイと校外某所で出会い、少しだけ彼女に近づいた気がしてきた恒一。しかし事態は一向に明らかにならないまま、クラスの雰囲気は日毎張り詰めてゆく。そしてある日、クラス委員の桜木ゆかりが凄絶な死を遂げた。それがまるで予想されていたことであったかのように、いっそう怯えの色を強くする同級生たち――真相を知るべく動きはじめた恒一を、さらなる謎と恐怖が待ち受ける……。