東日本大震災に伴う「民間賃貸住宅借り上げ制度」の新規受け入れを12月末で打ち切るように福島県が各都道府県に要請した問題で、同県が方針転換して年明け以降も継続するように要請を出し直すことが12日決まり、関係者からは喜びと不安、憤りが入り交じった声が上がった。
同県郡山市から山形市に娘3人と自主避難している「山形自主避難母の会」代表の中村美紀さん(36)は、新規受け入れの打ち切り要請が判明した際、福島県に残って子育てしている友人から「県に見捨てられた。もう逃げられない」と言われたという。「母親たちの疲労感は日に日に強くなっている。避難する、しないの選択肢はせめて残してほしい」と語った。
新潟県への自主避難者らでつくる「ふくしま新潟県内避難者の会」代表の村上岳志さん(36)は「打ち切りを検討したこと自体がおかしく、方針転換は当然と思う。除染が進まない現状では、借り上げ制度が子育て世代にとって唯一のセーフティーネットだ」と訴えた。
避難希望者のネットワークづくりに取り組む市民団体「子どもたちを放射能から守る福島ネットワーク」代表の中手聖一さん(50)=福島市=は「年内での打ち切りが取り消され、まずはほっとした。一方で、いつまた打ち切り話が出るか、不安感は消えない。原発事故に対応する新しい法律の整備が必要だ」と語った。【安藤龍朗、浅妻博之】
2011年12月13日
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