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 とりわけ、現代においては、社会的弱者である子どもと妊婦は特別に扱われるべきという概念が広がり、世界共通の認識にさえなっている。

 だからこそ、私たちはいま、たとえば世界各地で頻発している紛争において、子どもたちが死ねば大きなニュースになり、また地震などの天災発生時には、妊婦などの救出が優先されることに少しの違和感をも持たないのであろう。

 だが、そうした時代の中、「子どもと妊婦を守る」という最低限のモラルですら守ろうとしなかった国がある。私たちの国・日本である。日本の社会は本当にその大事なことを忘れてしまったのだろうか。

党内からの子どもと女性優先避難の
提言を無視し続けた民主党政権

 「被災地支援を続けている私達にも世界各国から暖かな救援物資などの援助が届きました。本当に感謝でいっぱいです。

 『液体ミルクを送ったので被災者の皆さんに届けてほしい』2億円分もの液体ミルクがヨーロッパの友人から届きました。

 あくまでも寄付は匿名にしてほしいということで名前を明かすことはできませんが、この方は民族浄化から自らの命をかけて第二次世界大戦中に迫害されている人々を救った方の孫にあたる方です」(原口一博オフィシャルブログ)

 原口一博衆議院議員は、初期の段階から子どもと女性の避難を呼びかけ続けてきた数少ない民主党幹部のひとりだ。

 3月、官邸に乗り込み、菅直人首相(当時)や枝野幸男官房長官(当時)に子どもと女性の優先避難をも直談判している。

 だが、政府は、原口氏の提言を無視し続けている。そればかりか、細野豪志原発担当相は、避難解除宣言とともに、子どもと女性までも、例外なく南相馬などの解除域内に戻してしまう始末である。

 世界の対応と間逆のことを続けている、これが現在の日本社会の現状なのである。

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宰相不在―崩壊する政治とメディアを読み解く

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上杉 隆 [ジャーナリスト]

1968年福岡県生まれ。都留文科大学卒業。テレビ局記者、衆議院議員公設秘書、ニューヨーク・タイムズ東京支局取材記者などを経て、フリージャーナリストに。著書に『石原慎太郎「5人の参謀」』 『田中真紀子の恩讐』 『議員秘書という仮面―彼らは何でも知っている』 『田中真紀子の正体』 『小泉の勝利 メディアの敗北』 『官邸崩壊 安倍政権迷走の一年』 『ジャーナリズム崩壊』 『宰相不在―崩壊する政治とメディアを読み解く』 『世襲議員のからくり』 『民主党政権は日本をどう変えるのか』 『政権交代の内幕』 『記者クラブ崩壊 新聞・テレビとの200日戦争』 『暴走検察』 『なぜツイッターでつぶやくと日本が変わるのか』 『上杉隆の40字で答えなさい~きわめて非教科書的な「政治と社会の教科書」~』 『結果を求めない生き方 上杉流脱力仕事術』 『小鳥と柴犬と小沢イチローと』 『永田町奇譚』(共著) 『ウィキリークス以後の日本 自由報道協会(仮)とメディア革命』 『この国の「問題点」続・上杉隆の40字で答えなさい』 最新刊は、『報道災害【原発編】 事実を伝えないメディアの大罪』(共著)『放課後ゴルフ倶楽部』『だからテレビに嫌われる』(堀江貴文との共著)

 


週刊・上杉隆

永田町を震撼させる気鋭の政治ジャーナリスト・上杉隆が政界に鋭く斬りこむ週刊コラム。週刊誌よりもホットで早いスクープ情報は、目が離せない。

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